“東西”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
とうざい73.7%
もの15.8%
とざい5.3%
をちこち5.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いろいろの乞食こじきが、東西とうざい南北なんぼく、そのくにみやこをいつも往来おうらいしていますので、そのくにひとも、これにはづきませんでした。
赤い姫と黒い皇子 (新字新仮名) / 小川未明(著)
もっとも些少さしょう東西ものなれども、こたびの路用をたすくるのみ。わがわたくし餞別はなむけならず、里見殿さとみどのたまものなるに、いろわで納め給えと言う。
海のほとり (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
東西とざい東西とうざい、このところお聞きに達しまする浄瑠璃芸題げだい、「艶姿女舞衣はですがたおんなまいぎぬ」、語りまする太夫たゆう、玉井春昇しゅんしょう、三味線お京、いよいよ、三勝半七酒屋の段、そのため口上、東西東西」
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
二七心々の世の中となりしほどに、老いたるは山に逃竄にげかくれ、二八わかきは軍民いくさびとにもよほされ、けふは此所を焼きはらふ、あすは敵のよせ来るぞと、女わらべ東西をちこちに逃げまどひて泣きかなしむ。