東西もの)” の例文
もっとも些少さしょう東西ものなれども、こたびの路用をたすくるのみ。わがわたくし餞別はなむけならず、里見殿さとみどのたまものなるに、いろわで納め給えと言う。
海のほとり (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
それは毛巡税もうじゅんえつと云う者の住んでいた家で、五六年前に瘟疫おんえきで一家の者が死絶えて、今では住んでいる者は無いはずであるが、それでも時どき小供こどもが出て来て東西ものを買うのを見たことがあるから
蛇性の婬 :雷峰怪蹟 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
それは毛巡検もうじゅんけんという者の住んでいた家で、五六年前に瘟疫はやりやまいで一家の者が死に絶えて、今では住んでいる者はないはずであるが、それでも時どき童子こどもが出てきて東西ものを買うのを見たことがあるから
雷峯塔物語 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)