“芭蕉”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
ばしょう76.6%
ばせを11.7%
ばせう9.0%
はせを2.1%
じい0.7%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そこには天保十四年のころに、あの金兵衛が亡父の供養にと言って、木曾路を通る旅人のために街道に近い位置を選んで建てた芭蕉ばしょうの句碑もある。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
各部将は、それぞれの位置に、陣小屋を構え、椰子やしの葉をいて屋根とし、芭蕉ばしょうを敷いてしとねとし、毎日の炎天をしのいでいた。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
たとえば芭蕉ばしょうの思想も、突として芭蕉にはじまったものではなくて、既に何百年か前の、連歌の宗祇そうぎの思想に根ざしている。
俳句への道 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
その晩宗助は裏から大きな芭蕉ばしょうの葉を二枚って来て、それを座敷の縁に敷いて、その上に御米と並んですずみながら、小六の事を話した。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
こういうすしが、いつごろからあったものかわからないが、芭蕉ばしょうの『猿蓑さるみの』に、どうもこれではないかと思われるものが顔を出している。
かぶらずし (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
芭蕉ばせをほねいはほごとく、朝霜あさしもけるいけおもに、鴛鴦ゑんあうねむりこまやかなるのみ。
五月より (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
僕の尊敬する東洋趣味は、(前の東洋種と混合してはいけない)人麻呂ひとまろの歌を生み、玉畹ぎよくゑんの蘭を生み、芭蕉ばせをの句を生んだ精神である。
東西問答 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
ものをくらべるのは恐縮きようしゆくだけれど、むかし西行さいぎやうでも芭蕉ばせをでも、みな彼処あすこでははらいためた——おもふに
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
しかし誰が最も的的てきてき芭蕉ばせを衣鉢いはつを伝へたかと言へば恐らくは内藤丈艸ないとうぢやうさうであらう。
澄江堂雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
には芭蕉ばせをのいとたかやかにびて、垣根かきねうへやがて五尺ごしやくもこえつべし
雨の夜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
椰子やし芭蕉ばせうはやしひく海岸かいがんおほひ、波止塲はとばのほとりから段々だん/″\たか
たゞ見るさへあやふければ、芭蕉ばせうが蝶も居直ゐなほる笠の上といひし木曾きそかけはしにもをさ/\おとらず。
日の光を一ぱいに浴びた庭先には、葉の裂けた芭蕉ばせうや、坊主になりかかつた梧桐あをぎりが、まきや竹の緑と一しよになつて、暖かく何坪かの秋を領してゐる。
戯作三昧 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
はらすいると、のばしてとゞところなつ無花果いちじく芭蕉ばせうもぎつて
怠惰屋の弟子入り (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
借家しやくやは或実業家の別荘の中に建つてゐたから、芭蕉ばせうのきさへぎつたり、広い池が見渡せたり、存外ぞんぐわい居心地のよい住居すまひだつた。
身のまはり (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
芭蕉はせをとは草庵さうあんに芭蕉をうゑしゆゑ人よりよびたる名ののちにはみづからがうによべり。
芭蕉はせをとは草庵さうあんに芭蕉をうゑしゆゑ人よりよびたる名ののちにはみづからがうによべり。
蝶はむぐらにとばかり鼻かむ 芭蕉はせを
芭蕉について (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
おるゝはすのみたてる蓮の実 芭蕉はせを
芭蕉について (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
おなじく桃妖に与えたものである。芭蕉じいさん……性的に少し怪しい。……
河伯令嬢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)