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芭蕉
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ばせう
ふりがな文庫
“
芭蕉
(
ばせう
)” の例文
其晩
(
そのばん
)
宗助
(
そうすけ
)
は
裏
(
うら
)
から
大
(
おほ
)
きな
芭蕉
(
ばせう
)
の
葉
(
は
)
を二
枚
(
まい
)
剪
(
き
)
つて
來
(
き
)
て、それを
座敷
(
ざしき
)
の
縁
(
えん
)
に
敷
(
し
)
いて、
其上
(
そのうえ
)
に
御米
(
およね
)
と
並
(
なら
)
んで
涼
(
すゞ
)
みながら、
小六
(
ころく
)
の
事
(
こと
)
を
話
(
はな
)
した。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
借家
(
しやくや
)
は或実業家の別荘の中に建つてゐたから、
芭蕉
(
ばせう
)
が
軒
(
のき
)
を
遮
(
さへぎ
)
つたり、広い池が見渡せたり、
存外
(
ぞんぐわい
)
居心地のよい
住居
(
すまひ
)
だつた。
身のまはり
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
腹
(
はら
)
が
空
(
すい
)
て
來
(
く
)
ると、
手
(
て
)
を
伸
(
のば
)
して
手
(
て
)
の
屆
(
とゞ
)
く
處
(
ところ
)
に
實
(
なつ
)
て
居
(
を
)
る
無花果
(
いちじく
)
か
芭蕉
(
ばせう
)
の
實
(
み
)
を
捩
(
もぎ
)
つて
食
(
く
)
ふ、若し
起上
(
たちあが
)
つて
捩
(
もぎ
)
らなければならぬなら
飢餓
(
うゑ
)
て
死
(
しん
)
だかも知れないが
怠惰屋の弟子入り
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
あそこの温泉の位置は
芭蕉
(
ばせう
)
の行つた時とは丸で違つてゐて、その時分には、あの
殺生石
(
せつしやうせき
)
から
此方
(
こつち
)
へと下りて来る渓流の岸に浴舎が並んでゐたらしいが、何でもひどい洪水があつて
行つて見たいところ
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
たゞ見るさへ
危
(
あやふ
)
ければ、
芭蕉
(
ばせう
)
が蝶も
居直
(
ゐなほ
)
る笠の上といひし
木曾
(
きそ
)
の
桟
(
かけはし
)
にもをさ/\
劣
(
おとら
)
ず。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
▼ もっと見る
此
(
この
)
菊塢
(
きくう
)
の
狂歌
(
きやうか
)
二
首
(
しゆ
)
発句
(
ほつく
)
一
句
(
く
)
あり、(手紙と
其書
(
そのしよ
)
も
移転
(
ひつこし
)
まぎれに
捜
(
さが
)
しても知れぬは
残念
(
ざんねん
)
)
兎
(
と
)
にも
角
(
かく
)
にも
一個
(
いつこ
)
の
豪傑
(
がうけつ
)
「
山師
(
やまし
)
来
(
き
)
て
何
(
なに
)
やら
植
(
う
)
ゑし
隅田川
(
すみだがは
)
」と
白猿
(
はくゑん
)
が、
芭蕉
(
ばせう
)
の句をもじりて笑ひしは
隅田の春
(新字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
こゝも壁のないバラック建てで、田の字づくりの小さい平家であつた。庭に、何人がかへもあるやうな
榕樹
(
ようじゆ
)
が、乳のやうに枝を垂らしてゐた。青い小さな実をつけた、
芭蕉
(
ばせう
)
の葉も繁つてゐる。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
軍艦
(
ぐんかん
)
「
日
(
ひ
)
の
出
(
で
)
」は、
其
(
その
)
翌々晩
(
よく/\ばん
)
は
豫定通
(
よていどう
)
りに、
印度大陸
(
インドたいりく
)
の
西岸
(
せいがん
)
コロンボの
港
(
みなと
)
に
寄港
(
きかう
)
して、
艦長松島海軍大佐
(
かんちやうまつしまかいぐんたいさ
)
と、
私
(
わたくし
)
と、
武村兵曹
(
たけむらへいそう
)
とは、
椰子
(
やし
)
や
芭蕉
(
ばせう
)
の
林
(
はやし
)
は
低
(
ひく
)
く
海岸
(
かいがん
)
を
蔽
(
おほ
)
ひ、
波止塲
(
はとば
)
のほとりから
段々
(
だん/″\
)
と
高
(
たか
)
く
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
日の光を一ぱいに浴びた庭先には、葉の裂けた
芭蕉
(
ばせう
)
や、坊主になりかかつた
梧桐
(
あをぎり
)
が、
槇
(
まき
)
や竹の緑と一しよになつて、暖かく何坪かの秋を領してゐる。
戯作三昧
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
其内
(
そのうち
)
薄
(
うす
)
い
霜
(
しも
)
が
降
(
お
)
りて、
裏
(
うら
)
の
芭蕉
(
ばせう
)
を
見事
(
みごと
)
に
摧
(
くだ
)
いた。
朝
(
あさ
)
は
崖上
(
がけうへ
)
の
家主
(
やぬし
)
の
庭
(
には
)
の
方
(
はう
)
で、
鵯
(
ひよどり
)
が
鋭
(
する
)
どい
聲
(
こゑ
)
を
立
(
た
)
てた。
夕方
(
ゆふがた
)
には
表
(
おもて
)
を
急
(
いそ
)
ぐ
豆腐屋
(
とうふや
)
の
喇叭
(
らつぱ
)
に
交
(
まじ
)
つて、
圓明寺
(
ゑんみやうじ
)
の
木魚
(
もくぎよ
)
の
音
(
おと
)
が
聞
(
きこ
)
えた。
日
(
ひ
)
は
益
(
ます/\
)
短
(
みじ
)
かくなつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
無花果
(
いちじく
)
や
芭蕉
(
ばせう
)
が
苔
(
こけ
)
むす
泉
(
いづみ
)
のほとりに
生茂
(
おひしげ
)
つて
居
(
ゐ
)
るのである。
怠惰屋の弟子入り
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
梧桐
(
あをぎり
)
、
芭蕉
(
ばせう
)
、柳など詩や句に
揺落
(
えうらく
)
を歌はるるものは、みな思ひの
外
(
ほか
)
散る事遅し。
一体
(
いつたい
)
百日紅と云ふ木、春も新緑の色
洽
(
あまね
)
き頃にならば、容易に赤い芽を吹かず。
雑筆
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
いや、暗い軒先の
芭蕉
(
ばせう
)
の
戦
(
そよ
)
ぎも覚えてゐる。しかし先生の訓戒には忠だつたと云ひ切る自信を持たない。
漱石山房の冬
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
(熱心に棚の書物を検べる。)
近松
(
ちかまつ
)
全集、
万葉集略解
(
まんえふしふりやくげ
)
、たけくらべ、アンナ・カレニナ、
芭蕉
(
ばせう
)
句集、——ない。ない。やつぱりない。ないと云ふ筈はないのだが……
LOS CAPRICHOS
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
牛込
(
うしごめ
)
の或町を歩いてゐたら、誰の屋敷か知らないが、
黒塀
(
くろべい
)
の続いてゐる所へ出た。今にも倒れてしまひさうな、ひどく古い黒塀だつた。塀の中には
芭蕉
(
ばせう
)
や松が、
凭
(
もた
)
れ合ふやうに一杯茂つてゐた。
雑筆
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
芭蕉
(
ばせう
)
おつと、この緑のランプの
火屋
(
ほや
)
を風に吹き折られる所だつた。
続野人生計事
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
芭
漢検準1級
部首:⾋
7画
蕉
漢検準1級
部首:⾋
15画
“芭蕉”で始まる語句
芭蕉翁
芭蕉布
芭蕉扇
芭蕉実
芭蕉葉
芭蕉庵
芭蕉亭
芭蕉忌
芭蕉紙
芭蕉布地