“ちょう”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:チョウ
語句割合
15.9%
14.0%
12.7%
10.7%
7.0%
6.8%
4.7%
3.0%
3.0%
2.4%
2.1%
1.8%
1.4%
1.3%
1.3%
1.1%
1.0%
調1.0%
0.8%
0.7%
0.6%
0.5%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.2%
てふ0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.1%
一丁0.1%
0.1%
0.1%
胡蝶0.1%
一挺0.1%
三挺0.1%
二梃0.1%
偶数0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
蝴蝶0.1%
0.1%
0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ところへ、ドンと川長の前へ投げ出されたのは、道中早次はやつぎかご二つ、着くが早いか、その一ちょうの中から、半病人で飛び出した由造が
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
……今頃白いちょうが居るか知らんと不思議に思いながら……けれどもそこいらには蝶々らしいものは愚か、白いものすら見えなかった。
木魂 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
それでもころんだり、きたり、めくらめっぽうにはらの中をして行きますと、ものの五六ちょうも行かないうちに、くらやみの中で
安達が原 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
それでもなお、平太夫はしばらくためらっていたようでございますが、やがて扇をつぼめたと思うと、それで欄干をちょうと打ちながら
邪宗門 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
けれど史中の人物を巧妙自在にらっして活躍させ、後漢ごかんの第十二代霊帝の代(わがちょうの成務天皇の御世、西暦百六十八年頃)から
三国志:01 序 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いろ勝ちの臥床ふしどの上に、楚々そそと起き直っている彼女を一目見て、なるほど公方くぼうちょうをほしいままにするだけの、一代の美女だと思った。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
ほかの守護のような苛税をちょうする風もなく、治水がすすんでいるせいか、湖畔の青田は見わたすかぎり生き生きとよく肥えている。
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
今、世の人心として、人々ただちに相接すれば、必ず他のたんを見て、そのちょうを見ず、己れに求むること軽くして人に求むること多きを常とす。
学者安心論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
それからルグランは、自分で一ちょうすきを取り、ジュピターに一梃、私に一梃渡して、できるだけ速く掘りにかかってくれと頼んだ。
黄金虫 (新字新仮名) / エドガー・アラン・ポー(著)
けたたましく郵便脚夫きゃくふ走込はしりこむのも、からすが鳴くのも、皆何となく土地の末路を示す、滅亡のちょうであるらしい。
三尺角 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そのなかで八津の死はいちばんみんなを悲しませた。急性ちょうカタルだった。家のものにだまって、八津は青いかきの実をたべたのである。
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
「あなたはあのダイヤモンドをねらっているのね。けれどもあのダイヤモンドだって、いわくつきの代物よ。ちょうさんのものをあなたのお父さんが……」
宝石の序曲 (新字新仮名) / 松本泰(著)
「ちょうどいいところでした。僕、話したいことがあるんで会いたかったんです」と玄は、本郷のちょうのところへ来てくれと言った。
「これで、今晩のお芝居は幕を閉じるのです。つまり、斎藤老人の死骸が、不吉などんちょうをおろす役を勤めた訳ですよ」
吸血鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
そんな時には常蒼つねあおい顔にくれないちょうして来て、別人のように能弁になる。それが過ぎると反動が来て、沈鬱ちんうつになって頭をれ手をこまねいて黙っている。
護持院原の敵討 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
「ピアノよ、キュピーよ、クレヨンね、スケッチちょうね、きりぬきに、手袋に、リボンに……ねえかあさん、おうちなんかくださらないの」
クリスマスの贈物 (新字新仮名) / 竹久夢二(著)
ベンヺ こりゃなんでも、かくれて、夜露よつゆれのまくという洒落しゃれであらう。こひめくらといふから、やみちょうどおあつらへぢゃ。
八大竜王と八字の漢語を用いたるところ「雨やめたまへ」と四三の調ちょうを用いたるところ皆この歌の勢を強めたるところにて候。
歌よみに与ふる書 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
その時張廷栄ちょうていえいという、県尹けんいんが新たに任について、ちょうのぼったところで、一疋の猴が丹※たんちの下へ来て、ひざまずいてさけんだ。張廷栄は不思議に思って、隷官れいかんに命じて猴の後をつけさした。
義猴記 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
それはそのわたくしが懇意にいたします近辺に医者がございまして、その医者がどうも其の薬を……薬は一体毒なもので、ようちょう根太ねぶと腫物はれもののようなものにけます、膏薬吸出しのようなものは
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
水びたしの帆を張って、徐盛がふたたび追いかけようとした時は、もう遠い煙波の彼方に、孔明の舟は、一ちょうのように霞んでいた。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「何せい火急だ。これを越後の同族たちへ、ちょうじ合わしているいとまもない。……そこで、脇屋殿がそちをたのんでお見えなされたようなわけだが」
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「かねての、ちょうじ合せをふくみ、護良もりなが(大塔ノ宮)と宗良むねながのふたりも、一山の衆徒をひきい、白川口、大津あたりまで出て、待ち迎えんと、書中に見らるる。——藤房、忠顕ただあき
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして運悪くも、ちやうど彼女の肛門が彼の顔の真下にあつたので、ちょうから出る息が一直線に吹き上げたのだが、その臭かつたことゝ云つたら、いかな猫好きもその時ばかりは
猫と庄造と二人のをんな (新字旧仮名) / 谷崎潤一郎(著)
風邪薬かざぐすりを一ちょう凍傷しもやけ膏薬こうやく一貝ひとかい買ひに行つた話は聞かぬが、春のあけぼの、秋の暮、夕顔の咲けるほど、ほだゆる時、夜中にフト目のむる折など、町中まちなかめて芬々ぷんぷんにお
処方秘箋 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
拝啓、今年はだいぶすずきの魚鱗多くうかがわれ、ほかの魚族も、よき潮模様しおもようと相見え候ところ、近来さっぱり御途絶おんとだえ、いかがなされ候哉そうろうや秋日しゅうじつぼくし、御一ちょうおすすめ申上候
田崎草雲とその子 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
噂によれば、太子のいない衛国では、むを得ず蒯聵かいがいの子・ちょうを立てて、位に即かせたという。国を出奔する時後に残して来た男の児である。
盈虚 (新字新仮名) / 中島敦(著)
初春の空に淡く咲くてふちょう、白夢のような侘しい花。それは目的もなく帰趨きすうもない、人生の虚無と果敢なさを表象しているものではないか。しかも季節は春であり、空には小鳥が鳴いてるのである。
郷愁の詩人 与謝蕪村 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)
気をいらだって源助町の比企一隆斎、鏡丹波らが、一時に左右から斬りこんで、たちまちちょうッ! の刃音、はつ! の気合い、混剣乱陣こんけんらんじんの場と化し去ったが、茨右近は
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
黒いちょうネクタイをしめて紳士になりすましていたし、おキミはどこで借りて来たのか、三越の食堂ガールがつけているようなすそのみじかいセルの洋服をきて年齢が三つ四つも若くなっていたし
国際殺人団の崩壊 (新字新仮名) / 海野十三(著)
一はもって同行戦死者の霊をちょうしてまたその遺族いぞくの人々の不幸不平をなぐさめ、また一にはおよそ何事に限らず大挙たいきょしてその首領の地位に在る者は、成敗せいはい共にせめに任じて決してこれをのがるべからず
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
この句の精神は「ちょう」の一字にあり。しかして人の解する能はざる所またこの語にあり。故にこの句の意を探らんとならば、燕が何故に鐘楼に這入はいることにりたるかを知るにあり。
俳諧大要 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
ちょうとふたり逢ふや出で湯のさざれ波
ある偃松の独白 (新字新仮名) / 中村清太郎(著)
天龍てんりゅうを乗っきって、しゃ笠井かさいさとへあがったのも夢心地ゆめごこち、ふと気がつくと、その時はもう西遠江にしとおとうみ連峰れんぽうの背に、ゆうよのないがふかくしずんで、こく一刻、一ちょうそくごとに
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ええ教えてちょうだい。」
果樹 (新字新仮名) / 水上滝太郎(著)
さきに宋江が、ただ一人で梁山泊を立つや、軍師呉用もちょう統領も、そのあとからすぐ一隊を組織して、おなじ鄆城県うんじょうけんへ潜行していた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「やあちょう旦那。時ならぬ時刻に、えらい厄介をかけて、すまなかったな。夜も白んできたから、ぼつぼつ出かけようと思う」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
やっと二人ふたりは、そのまちはずれにきあたりました。それからひだりがりました。なるほど、おばあさんのいったように、一丁ちょうばかりゆくと一軒けん車屋くるまやがありました。
海ほおずき (新字新仮名) / 小川未明(著)
わたしうちは、このみちをどこまでもまっすぐにいって、たったらひだりがって、一丁ちょうばかりゆくと車屋くるまやがある。それから四軒けんめのうちです。うみほおずきがたくさんありますよ。」
海ほおずき (新字新仮名) / 小川未明(著)
ちょうにいて贅沢ぜいたくをした御前方おまえがたには珍しくもあるまいが、この頃は諸事御倹約の世の中、衣類から食物たべものまで無益な手数をかけたものは一切いっさい御禁止というきびしいおふれだから
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
中形の浴衣に糸巻崩いとまきくず昼夜帯ちゅうやおび引掛ひっかけという様子なり物言いなり仲町なかちょうはおりと思う人はあるかも知れぬが、ついぞこの間までちょうにいなすった華魁衆おいらんしゅうとはどうしてどうして気がつくものか。
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「受けた、みんなかかって来い。ちょうだ!」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ちょうだ」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
世はいくさでも、胡蝶ちょうが舞う、撫子なでしこ桔梗ききょうも咲くぞ。——馬鹿めが。(呵々からからと笑う)ここに獅子がいる。お祭礼まつりだと思って騒げ。(鑿を当てつつ)槍、刀、弓矢、鉄砲、城の奴等やつら
天守物語 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
桔梗 花も胡蝶ちょうもお気に入って、お嬉しいんでございましょう。
天守物語 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
火打袋より一挺ちょうのみを抜き、双の獅子のまなこつ。
天守物語 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
代助はこう云って、嫂と縫子の蝙蝠傘こうもりがさを提げて一足先へ玄関へ出た。車はそこに三挺ちょうならんでいた。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
蝋燭ろうそく二梃ちょうも立てて一筋の毛も等閑なおざりにしないように、びんに毛筋を入れているのを、道太はしばしば見かけた。それと反対で毛並みのいいお絹の髪は二十時代と少しも変わらなかった。
挿話 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
掟によると、偶数ちょうはいけないことになっていて、鞭の数はかならず奇数はんでなければいけないのですよ。
因ツテ酒痴ノ歌一篇ヲ作リ以テ上人ニ謝シ兼テ自ラちょうヲ解クトイフ。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
その時ちょうという孝廉があって、その女が歿くなって葬式をしたところで、一晩おいて盗賊の為に棺を破られ死体と同時いっしょに入れてあった宝物も共に奪われた。
竇氏 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
◯エリパズは初め実験にちょうして「神は善なり」と説き、次にビルダデは所伝つたえによりて「神は義なり」と主張す。そしていずれもヨブの撃退する所となった。
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
繍線ちょうし来たりて生くるを写すに似たり
連城 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
我国でこれに最も近い遊戯は、鶏のちょう思骨を引張り合って、より大きな部分を手に残そうとすることであるが、これはどこで鎖骨が最初に折れるか、全く機会によって決定されることである。
お医者はんが見てもこれなら生命にちょうない、二、三日安静にしといたらええいわれる程度にするのんには、どれぐらい飲んだもんやら分量分れしませんねん。
(新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
あわせぢやけれどの、れた上衣うわぎよりはましでござろわいの、ぬしも分つてある、あでやかな娘のぢやで、お前様にちょういわ、其主そのぬしもまたの、お前様のやうな、わか綺麗きれいな人と寝たら本望ほんもうぢやろ、はゝはゝはゝ。
二世の契 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
学の権威けんいについて云々うんぬんされては微笑わらってばかりもいられない。孔子は諄々じゅんじゅんとして学の必要を説き始める。人君じんくんにして諫臣かんしんが無ければせいを失い、士にして教友が無ければちょうを失う。
弟子 (新字新仮名) / 中島敦(著)
「名はちょう」と指で書いて見せて、「艸冠くさかんむりがよけいだ。字引にあるかしらん。妙な名をつけたものだね」と言う。
三四郎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
手も足もかばわずに、島の入日に焼かれながら、日金颪を浴びながら、緑の黒髪、煙れる生際、色白く肥えふとりて、小造りなるが愛らしく、その罪のなさ仇気あどけなさも、蝴蝶ちょうの遊ぶに異ならねど
わか紫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
なまじいなことをして、をもってちょうに続き、竹をって木を修むるような仕儀に立ち至らしむるよりは、いっそのこと己の子をもって、相続せしむる方がよいとのことだ。
嫡子ちゃくしちょうといい次男をきゅうといい、三男をてつという。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)