“ちょう”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:チョウ
語句割合
15.6%
14.2%
13.8%
11.8%
6.7%
6.4%
4.8%
3.0%
2.7%
2.6%
(他:134)18.4%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
最前から入口の処に突立って、その様子を見ていた正木博士は、小使に命じてくわちょう持って来さして呉一郎に与えた。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
『それから、夜半よなかになったら、済まないけれど、かごを二ちょう、そっと裏口の木戸へ呼んで来ておくれでないか』
夕顔の門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
悲しいかな! 翼ある唯一の花と知られているのはちょうであって、他の花は皆、破壊者に会ってはどうすることもできない。
茶の本:04 茶の本 (新字新仮名) / 岡倉天心岡倉覚三(著)
出口に花をつけたきりの古木があった。羽の黒い大きな揚羽あげはちょうがひらひらと広栄の眼の前を流れて往った。
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
この三人は当の責任者であるだけに、ちょう役人からも厳しく叱られて、毎晩交代で火の見梯子を見張っていることになった。
半七捕物帳:06 半鐘の怪 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「女中はお直さんと云って、十七、八のおとなしい人でした。うちはやっぱり深川で、大島ちょうだとか云っていました」
半七捕物帳:67 薄雲の碁盤 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
縁側えんがわはぎをぶらさげて、膝頭ひざがしらちょうたたくと、膝から下がぴくんとねる事がある。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
これはおかしい、つりといえばちょうどその時、向うづめの岸にしゃがんで、ト釣っていたものがあったでござる。
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
次の日、彼は、ちょうに出仕して、呂布の見えない隙をうかがい、そっと董卓の閣へ行って、まずその座下に拝跪はいきした。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その小宰相は、こんど新帝のちょうに右大臣と返り咲いた持明院方の久我具親こがともちか(堀川ノ大納言)の妻のめいだ。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
三斎の娘の浪路こそ、公方くぼうに仕えて、大奥随一のちょうをほしいままにしているということは、どこの誰でも知っている。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
日頃から、叔父のちょうれぬいているこの甥は、すぐその気持を読んで、組しやすしと、なおこう主張するのだった。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
とあるのにちょうして明かで、その頃の京都の市中から馬を走らせて行く分には、左程さほどの道のりではなかったであろう。
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
これは我々が社会を見ても、あるいは各自の友人の履歴りれきちょうしても、必ずその例にとぼしからざるを感ずる。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
叛軍に対する所罰としては、銃五十ちょうの没収、未納の税金徴収、二十マイルの道路工事等が課せられたに過ぎなかった。
光と風と夢 (新字新仮名) / 中島敦(著)
最近少し余裕が出来たので、音楽好きの子供にねだられて、やっとセロを一ちょう買ってやった妻に、彼はあまり好い顔をしなかった。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
兼「ちょう兄い……不思議だな、一昨日おとゝいあたりからズキ/\する疼みがなくなってしまった、能く利く湯だなア」
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
——しかもその人は、生れながらの病弱で、ちょうじてからも瘋癲ふうてんの持病があり、周囲はそれも知りぬいていた。
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
とにかく、りにった悪玉と悪玉とが、この夜、手を結んだのは、弦之丞の身にとって、怖るべき不幸のちょうだ。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
潰滅かいめつちょうが見えてきた。その方面の敵は、不肖ふしょう池田勝三郎が当って蹴ちらしてみせる」
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そのまえのとし明治めいじ三(一八七〇)ねん諭吉ゆきちは、いのちにかかわるようなちょうチフスにかかりました。
彼等は胃の命令と、ちょうの法律と、皮膚ひふの要求と、舌頭の指揮と、生殖器の催促さいそくの外、何のしばらるゝ処がない。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
釈門しゃくもんの人ならでたれかは要すべき、大内などには有るべくも無き度牒どちょうというもの三ちょうありたり。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
殊に原本は十五、六行の蠅頭ようとう細字で認めた一年一冊およそ百余ちょうの半紙本である。
八犬伝談余 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
「わが家はとばりちょうをも掛けたればって歌ね、大君来ませ婿にせんってね、そこへ気がつかないでは主人の手落ちかもしれない」
源氏物語:02 帚木 (新字新仮名) / 紫式部(著)
「これで、今晩のお芝居は幕を閉じるのです。つまり、斎藤老人の死骸が、不吉などんちょうをおろす役を勤めた訳ですよ」
吸血鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
その小さい堅い結び目を解くのに彼女の指頭はくれないちょうし、そこをつねっているように見えた。
(新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
文一郎が答はいまだなかばならざるに、女は満臉まんけんこうちょうして、偏盲へんもうのために義眼を装っていることを告げた。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
青州府せいしゅうふに居らしめ、第八子を封じてたん王とし、長沙ちょうさき、第九子ちょう王とせしが
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
ちょう邯鄲かんたんの都に住む紀昌きしょうという男が、天下第一の弓の名人になろうと志を立てた。
名人伝 (新字新仮名) / 中島敦(著)
「ピアノよ、キュピーよ、クレヨンね、スケッチちょうね、きりぬきに、手袋に、リボンに……ねえかあさん、おうちなんかくださらないの」
クリスマスの贈物 (新字新仮名) / 竹久夢二(著)
年雄としおは、小山先生こやませんせいだったら、びつきたいのでした。スケッチちょう懐中かいちゅうれると、おかりました。
丘の下 (新字新仮名) / 小川未明(著)
八大竜王と八字の漢語を用いたるところ「雨やめたまへ」と四三の調ちょうを用いたるところ皆この歌の勢を強めたるところにて候。
歌よみに与ふる書 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
「それが、ちとむずかしい蘭薬らんやく調ちょうじ合せをいたしますため、薬名や何かも、自分でなければなりませぬので」
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
新「ヘエー有難うございます、ちょう咽喉のども乾いて居りますから、エヽ有難うございます、誠にわたくしも力を得ました」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
翌年寛政八年ちょうど二月三日の事でございましたが、法蔵寺へ参詣に来ると、和尚が熟々つく/″\新吉を見まして、
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
幼少の時に病んだちょうという腫物できもののあとで、
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
武蔵は幼少の頃、頭にちょうという腫物はれものを病んだことがある。そのため月代さかやきると醜いといって、生涯、ひたいを剃らずに、髪はいつも総体そうたいに伸ばしていた。
随筆 宮本武蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ちょうの検断所のおとなりですよ。六波羅牢といいましてね、あれなら先生、何年でもいられるし、おしずかでいいでしょう」
私本太平記:07 千早帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「本日は東北長官とうほくちょうかん一行の出遊しゅつゆうにつきこれより中には入るべからず。東北ちょう
二人の役人 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
オホツク海は海豹島かいひょうとうに三十万羽も羽ばたいているというロッペンちょうを聯想して、吾々の六人をもじったものだ。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
水びたしの帆を張って、徐盛がふたたび追いかけようとした時は、もう遠い煙波の彼方に、孔明の舟は、一ちょうのように霞んでいた。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「何せい火急だ。これを越後の同族たちへ、ちょうじ合わしているいとまもない。……そこで、脇屋殿がそちをたのんでお見えなされたようなわけだが」
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
おのおの髪をえてちょうひらく。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
(近々に、不測ふそくを起し、勢州ともちょうじ合わせ、秀吉のうしろをるべし)
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これは、敵兵を撃つものではない、敵軍を威圧するため、かねて丹羽長秀にちょうじておいた大喊声だいかんせいを起すべく、のろし代りに撃たせた銃声であった。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「君子はちょうしてもうせずでございますな、いったん釣りの細かいところの趣味を味わった者には、御隠居の前だが、網なんぞは大味おおあじで食べられません」
大菩薩峠:17 黒業白業の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
広施こうし三百六十ちょう
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
徳川氏に到りては、人と人とを信念の大本なる理を以てつなぎ、忠義なる空文に大義名分てふちょう力ある哲理的の解釈を応用したり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
しかれどもその多くの部分は、書を読むは憂患の初めてふちょう真理を、我が身に実験し、家に一日のかてなくして、心に千古の憂を懐く。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
それから私は人力車の幽霊を求めるとともに、キッティがわたしの後継者——もっと厳密にいえば、わたしの後継者ら——とちょうなん喃と語らっている復讐的の姿を、愉快な心持ちでひと目見たいと思って探し求めた。
留吉はシャンとした背広に、黒いちょうネクタイをしめて紳士になりすましていたし、おキミはどこで借りて来たのか、三越の食堂ガールがつけているようなすそのみじかいセルの洋服をきて年齢が三つ四つも若くなっていたし、椋島は椋島で
国際殺人団の崩壊 (新字新仮名) / 海野十三(著)
この句の精神は「ちょう」の一字にあり。
俳諧大要 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
身、封侯の位を得、蜀主の安泰を祈るなれば、はやはやよろいを解き、降旗をかかげよ。然るときは、両国とも、民安く、千軍血を見るなく、共に昭々の春日を楽しみ得ん。——また、否とあれば、天誅てんちゅうたちまち蜀をちょうし、蜀の一兵たりと、生きて国には帰すまいぞ。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
諏訪栄三郎、そのさまを見るより、昨夜来、血に飽いている武蔵太郎をちょうッ! とひるがえして、左膳へ斬りこむ。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
行燈あんどんの下、山城守と造酒、ちょう! 打! と鍔元を鳴らして、微笑を交した。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
もし彼の脳裏のうりに一点の趣味をちょうし得たならば、彼はく所に同化して、行屎走尿こうしそうにょうの際にも、完全たる芸術家として存在し得るだろう。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
別に、風邪薬かざぐすりを一ちょう凍傷しもやけ膏薬こうやく一貝ひとかい買ひに行つた話は聞かぬが、春のあけぼの、秋の暮、夕顔の咲けるほど、ほだゆる時、夜中にフト目のむる折など、町中まちなかめて芬々ぷんぷんにおふ、湿しめぽい風は薬屋の気勢けはいなので。
処方秘箋 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
彼が本丸の屋根によじれば、金吾もすばやく大屋根にのぼって、彼と十二、三間の間隔を、一ちょう、一歩にちぢめてゆく。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
天龍てんりゅうを乗っきって、しゃ笠井かさいさとへあがったのも夢心地ゆめごこち、ふと気がつくと、その時はもう西遠江にしとおとうみ連峰れんぽうの背に、ゆうよのないがふかくしずんで、こく一刻、一ちょうそくごとに、馬前ばぜん暮色ぼしょくくなっていた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)