“蛾”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
86.0%
ひとりむし8.8%
ちょう1.8%
てふちよ0.9%
ひひる0.9%
ひむし0.9%
ヒムシ0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
にぶ砂漠さばくのあちらに、深林しんりんがありましたが、しめっぽいかぜく五がつごろのこと、そのなかから、おびただしいしろ発生はっせいしました。
北海の波にさらわれた蛾 (新字新仮名) / 小川未明(著)
バサリと音して、一握ひとにぎりの綿が舞うように、むくむくとうずまくばかり、枕許の棚をほとんどころがって飛ぶのは、大きな、色の白いひとりむしで。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
最始さいしょの博物学者は蛅蟖けむしの変じてまゆと成りしときは生虫の死せしと思いしならん、他日美翼を翻えし日光に逍遙するちょうはかつて地上に匍匐ほふくせし見悪みにくかりしものなりとは信ずることの難かりしならん。
基督信徒のなぐさめ (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
「どうも己は気が変になつたのぢやないか知らん。あのてふちよは、あれは己の頭にゐるのだらう」と、ドルフは思つた。
凡眼で静かだと思う石だッて、常に破れかかるか変りかかッているくらいのものだ。その世界の中に死なんという馬鹿馬鹿しい事があるものか。蚕が死ぬ、ナニ死ぬではないひひるになッて生きているよ。
ねじくり博士 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
死刑囚のわが焦燥の如くありあがくとも見ゆるひむしの一つ
遺愛集:02 遺愛集 (新字新仮名) / 島秋人(著)
前にも引き合ひに出たすくなひこなの神なども、常世へ行つたと言ふが、実は、ヒムシの皮を全剥ウツハぎにして衣とし、蘿摩カヾミサヤの船に乗る仲間の矮人ヒキウドの居る国に還住したことをすのであらう。
妣が国へ・常世へ (新字旧仮名) / 折口信夫(著)