“ちよう”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:チヨウ
語句割合
23.1%
23.1%
5.1%
5.1%
5.1%
2.6%
2.6%
2.6%
2.6%
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地妖2.6%
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2.6%
2.6%
2.6%
2.6%
2.6%
2.6%
2.6%
調2.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
文政十年、愷三十六歳の時嫡男ちようが生れた。初の妻宝生氏の出である。此年愷は中風のために右半身不随になり、且一目失明した。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
それから満枝は益す禿のちようを得て、内政を自由にするやうになつたから、定めて生家さとの方へみつぐと思の外、きめものの外は塵葉ちりつぱ一本らん。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
かかれば良縁のむなしからざること、ちようとらへんとする蜘蛛くもの糸よりしげしといへども、反顧かへりみだにずして、例の飄然忍びてはゑひの紛れの逸早いつはや風流みやびに慰み、内には無妻主義を主張して
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
そらのちよう明 すべてのごみはみな洗はれて
『春と修羅』 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
つるぎ岳、冠まつ、ウジちようくまのアシアト、雪渓せつけい、前つるぎ
冠松次郎氏におくる詩 (新字旧仮名) / 室生犀星(著)
「は?」彼は覚えず身をかへして、ちようと立てたる鉄鞭にり、こはこれ白日の夢か、空華くうげの形か、正体見んと為れど、酔眼のむなしく張るのみにて、ますまれざるはうたがひなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
ちようあたりてひるむその時、貫一は蹶起はねおきて三歩ばかりものがれしを打転うちこけし檳榔子のをどかかりて、拝打をがみうちおろせる杖は小鬢こびんかすり、肩をすべりて、かばん持つ手をちぎれんとすばかりにちけるを
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
蘭軒は二児榛軒こう、柏軒ちようを除く外、こと/″\あざなを以て称してゐる。その人物の明白なるものは森立之りつし、字は立夫りつふ、岡西徳瑛とくえい、字は君瑤くんえうの二人に過ぎない。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
又門人の記する所に、「植厚朴、参川口善光寺、途看于花戸、其翌日持来植之」とも云つてある。しかしわたくしの考ふる所を以てすれば、蘭軒は子に名づくるにこうを以てしちようを以てした。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
桑原氏は岡崎ちようの入江に住んでゐる、そしてせつせと東洋史を研究してゐる。ある日の事、研究にもんだので、桑原氏は両手を伸ばして大きな欠伸あくびをした。
文学博士狩野直喜なほき氏は洛東田中ちように住んでゐる。田中町は以前お玉杓子や二十日鼠が棲んでゐた頃は村といつたものだが、大学教授のうち牛乳屋ミルクホールが出来るやうになつてから町といふ事になつた。
一、余、去年已来いらい心蹟百変、あげて数へがたし。なかんづく、ちようの貫高をこひねがひ、の屈平を仰ぐ、諸知友の知るところなり。
留魂録 (新字旧仮名) / 吉田松陰(著)
ゆゑに子遠が送別の句に「えんちようの多士一の貫高。荊楚深く憂ふるは只屈平」といふもこのことなり。しかるに五月十一日関東の行を聞きしよりは、またいつの誠字に工夫をつけたり。
留魂録 (新字旧仮名) / 吉田松陰(著)
乱山いずれの処か残燐をちようす 乞ふ死是れ生真なりがたし 薄命紅顔の双寡婦 奇縁白髪の両新人 洞房の華燭前夢を温め 仙窟の煙霞老身を寄す 錬汞れんこう服沙一日に非ず 古木再び春に逢ふ無かる可けん
八犬伝談余 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
奇怪なる地妖ちようでないか。
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
一切の事、祭司を用いず、やがて北斗を祭る秘室のうちに、ちようを垂れて閉じ籠った。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
現に西洋の通俗作家の飜案であつたことにちようしてもそれが解る。しかし、いつでもさうだが、かれはさうした俗受小説にも、自己の文章の努力を捨てることの出来ない作者であつた。
尾崎紅葉とその作品 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
自分はの位其處らをかけずり廻ツたか、またの道をうして來たか知らぬが、兎に角もう螢籠ほたるかごには、螢が、ちようど寶玉のやうに鮮麗な光を放ツてゐる。
水郷 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
この砥石といしが一ちようありましたらあ、今までのよに、たらいじゃあ、湯水じゃあとウ、騒ぐにはア及びませぬウ。
露肆 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
昔から懼れられた、肺炎やようちようの如き腫物は、黴を原料として製造せらるゝペニシリンにより、易く治療さるゝに至つたのは素人を驚かした。
彼等の死ありていささか吾が活のくるしきをも慰むべきか、吾が活ありて、始めて彼等が死のいたましきを弔ふに足らんか。吾がちようは断たれ、吾が心はやぶれたり、彼等が肉はただれ、彼等が骨は砕けたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
第一だいいちに、青々あを/\した、といふものは、植物しよくぶつにとつては一番いちばん大切たいせつで、ちょうどわれ/\の心臟しんぞうちようのような、生活上せいかつじよう必要ひつよう器官きかんです。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
「名はちよう」とゆびいて見せて、「艸冠くさかんむりが余計だ。字引じびきにあるか知らん。妙な名を付けたものだね」と云ふ。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
終に近く益すふるへる声は、つひ平生へいぜい調ちようをさへ失ひて聞えぬ。彼はまさしくその一言いちごんの為には幾千円の公正証書を挙げて反古ほぐに為んも、なかなかをしからぬ気色を帯びてせまれり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)