“痿”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
54.5%
ひる18.2%
なや9.1%
やつ9.1%
9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
何故なにゆえとは知らず、ことごとく身はえて、手に持つ燭を取り落せるかと驚ろきて我に帰る。乙女はわが前に立てる人の心を読む由もあらず。
薤露行 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
余りの可恐おそろしさに直行は吾を忘れてその顔をはたとち、ひるむところを得たりととざせば、外より割るるばかりに戸を叩きて
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
書替かきかへだの、手形に願ふのと、急所を手際てぎは婉曲えんきよくに巧妙な具合と来たら、実に魔薬でも用ゐて人の心をなやすかと思ふばかりだ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
見るからに陥ち凹みし、頬はかうでもなかりしに、さりとてはおやつれと。横顔ながら、身の痩せも、思ひ知らるる悲しさを。
移民学園 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
かくの如くにして世界の主、蒼生さうせいの君と云ふべきなり。其見そのけん小にして、一体一物の理を知らざるは、猶全身して疾痛※痒あやうを覚えざるごとし。百世身を終るまで開悟することあたはず。
津下四郎左衛門 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)