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痿
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ひる
余りの
可恐しさに直行は吾を忘れてその顔をはたと
撲ち、
痿むところを得たりと
鎖せば、外より割るるばかりに戸を叩きて
心得たる男なれば宅兵衞が
隙を
窺ひ持たる
太刀を打落し
痿む處を
續け打に
面を
目掛て討ければ宅兵衞は
眼昧みて
蹌踉を吾助は得たりと落たる刀を
丁と
中りて
痿むその時、貫一は
蹶起きて三歩ばかりも
逭れしを
打転けし檳榔子の
躍り
蒐りて、
拝打に
下せる杖は
小鬢を
掠り、肩を
辷りて、
鞄持つ手を
断れんとすばかりに
撲ちけるを