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潮
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ちょう
ふりがな文庫
“
潮
(
ちょう
)” の例文
宋の
乾道
(
けんどう
)
七年、
縉雲
(
しんうん
)
の
陳由義
(
ちんゆうぎ
)
が父をたずねるために
閩
(
みん
)
より
広
(
こう
)
へ行った。その途中、
潮
(
ちょう
)
州を過ぎた時に、土人からこんな話を聞かされた。
中国怪奇小説集:10 夷堅志(宋)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
そんな時には
常蒼
(
つねあお
)
い顔に
紅
(
くれない
)
が
潮
(
ちょう
)
して来て、別人のように能弁になる。それが過ぎると反動が来て、
沈鬱
(
ちんうつ
)
になって頭を
低
(
た
)
れ手を
拱
(
こまね
)
いて黙っている。
護持院原の敵討
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
口々
(
くち/″\
)
に
喚
(
わめ
)
き立てる
野卑
(
やひ
)
な叫びが、雨の如く降って来るのを、舞台の正面に
屹然
(
きつぜん
)
と立って聞いて居る嬢の顔には、
微
(
かす
)
かに
紅
(
くれない
)
が
潮
(
ちょう
)
して来るようであった。
小僧の夢
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
小獅子は
路
(
みち
)
へ橋に
反
(
そ
)
った、のけ
様
(
ざま
)
の
頤
(
あぎと
)
ふっくりと、
二
(
ふた
)
かわ
目
(
め
)
に
紅
(
こう
)
を
潮
(
ちょう
)
して、
口許
(
くちもと
)
の
可愛
(
かわい
)
らしい、色の白い
児
(
こ
)
であった。
春昼後刻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
深山
(
みやま
)
の
美玉都門
(
びぎょくともん
)
に
入
(
いっ
)
てより三千の
碔砆
(
ぶふ
)
に顔色なからしめたる評判
嘖々
(
さくさく
)
たりし当代の佳人岩沼令嬢には幾多の公子豪商熱血を頭脳に
潮
(
ちょう
)
して
其
(
その
)
一顰一笑
(
いっぴんいっしょう
)
を
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
▼ もっと見る
持ち前の猫背をいよいよ猫背にして、
蒼
(
あお
)
い顔にやや
紅
(
くれない
)
を
潮
(
ちょう
)
した熱心な主僧の態度と言葉とに清三はそのまま引き入れられるような気がした。その言葉はヒシヒシと胸にこたえた。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
と見れば常さえ
艶
(
つや
)
やかな緑の黒髪は、
水気
(
すいき
)
を含んで
天鵞絨
(
びろうど
)
をも欺むくばかり、玉と透徹る
肌
(
はだえ
)
は塩引の色を帯びて、眼元にはホンノリと
紅
(
こう
)
を
潮
(
ちょう
)
した
塩梅
(
あんばい
)
、何処やらが
悪戯
(
いたずら
)
らしく見えるが
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
「これより先、
磯山清兵衛
(
いそやませいべえ
)
は(中略)
重井
(
おもい
)
、
葉石
(
はいし
)
らの冷淡なる、共に事をなすに足る者に
非
(
あら
)
ず」
云々
(
うんねん
)
の所に至るや第三列に控えたる被告人
氏家直国
(
うじいえなおくに
)
氏は、憤然として怒気満面に
潮
(
ちょう
)
し、肩を
聳
(
そび
)
やかして
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
文一郎が答はいまだ
半
(
なかば
)
ならざるに、女は
満臉
(
まんけん
)
に
紅
(
こう
)
を
潮
(
ちょう
)
して、
偏盲
(
へんもう
)
のために義眼を装っていることを告げた。そして涙を流しつつ、旧盟を破らずにいてくれと頼んだ。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
その小さい堅い結び目を解くのに彼女の指頭は
紅
(
くれない
)
を
潮
(
ちょう
)
し、そこを
抓
(
つね
)
っているように見えた。やがて中から取り出された手紙の数々は、まるで千代紙のあらゆる種類がこぼれ出たかのようであった。
卍
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
紅
(
くれない
)
が両の頬に
潮
(
ちょう
)
して、大きい目が
耀
(
かがや
)
いている。
青年
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
“潮”の意味
《名詞》
(しお)海の水、 潮汐、 うしお。
(しお)海面の満ち引き。
(しお)物事をする、やめるのに丁度良いとき。しおどき。
(出典:Wiktionary)
潮
常用漢字
小6
部首:⽔
15画
“潮”を含む語句
紅潮
高潮
潮騒
満潮
海潮
血潮
潮水
潮風
干潮
黒潮
潮吹
滿潮
新潮
潮沫
潮干
退潮
上潮
渦潮
風潮
潮漚
...