ちょう)” の例文
その種名スペシフィック・ネームのカムパヌラータは「鐘形ノ」という意味でそれはその桜の花弁が正開せず常に半開きでそれがちょうつりがねの形をしているからである。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
ベンヺ こりゃなんでも、かくれて、夜露よつゆれのまくという洒落しゃれであらう。こひめくらといふから、やみちょうどおあつらへぢゃ。
其の前に歌う時は、ちょうど父母の膝に突伏して、余所よそでの悲しさを思い入れ泣くような心地がして、歌って果は泣いて、それが為に心は慰められた。
漁師の娘 (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
新「ヘエー有難うございます、ちょう咽喉のども乾いて居りますから、エヽ有難うございます、誠にわたくしも力を得ました」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
八九人の中に怪しい紋附羽織もんつきばおりの人が皆黙って送って行く——むろん本尊の花嫁御寮はなよめごりょうはその真中まんなかにしかも人力車じんりきに乗って御座ござる——がちょうど自分の眼の前に来かかった。
菜の花物語 (新字新仮名) / 児玉花外(著)
これはその葉を巻いてその一方の端の方に刻み煙草を詰めちょうどシガーレットの様にそれで喫煙するのだとの事であった。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
翌年寛政八年ちょうど二月三日の事でございましたが、法蔵寺へ参詣に来ると、和尚が熟々つく/″\新吉を見まして
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
おも羽毛はねしろすゝつめた健康すこやか病體びゃうたいめたねむり! あゝ、りのまゝとはおなじでないもの! ちょう其樣そのやうせつないこひかんじながら、こひまことをばかんぜぬせつなさ!……なんわらふンぢゃ?
川幅は広いけれども鴻の渡るを見て北條の軍勢が浅瀬を渡って、桜ヶ陣より一時いちどきに取詰めた処から、かゝる名城もたちまちにして落城したというが、時節ときだのう、其の日はちょう今日こんにちの如く夕暮で
近辺の者も皆得心して爺さん婆さんを見送ったから、つい其の儘ずる/\べったりに二代目又九郎夫婦に成ったのでございます、あなたちょうど今年で二十三年になるが、住めば都と云うたとえの通りで
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
森「ちょうど馬を追っているようだ」
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)