ちょう)” の例文
それはほかでもございません、ロックちょうの卵が、あの高い天じょうのまん中からぶらさがっていたら、もう申し分なしだと思いますわ。
水びたしの帆を張って、徐盛がふたたび追いかけようとした時は、もう遠い煙波の彼方に、孔明の舟は、一ちょうのように霞んでいた。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あそこで大きな白熊しろくまがうろつき、ピングィンちょうしりを据えてすわり、光って漂い歩く氷の宮殿のあたりに、昔話にありそうな海象かいぞうが群がっている。
冬の王 (新字新仮名) / ハンス・ランド(著)
海豹島かいひょうとうといって、おっとせいが黒山のようにいたり、ロッペンちょうが雪のように翔けていたり、それはお伽噺にあるようなおもしろい島があるそうです。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
オーロラの怪光かいこういろど北極ほっきょく、ペンギンちょうのいる南極なんきょく、そこは、ふだん人間にんげんかげない。
台風の子 (新字新仮名) / 小川未明(著)
オホツク海は海豹島かいひょうとうに三十万羽も羽ばたいているというロッペンちょうを聯想して、吾々の六人をもじったものだ。たわいのないことおびただしい。このロッペン団かなり不良である。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
「曹操とても、兵学に通じておるもの。いかでさような計略におちいろう。お考えは至妙なりといえど、おそらく鳥網ちょうもう精緻せいちにして一ちょうかからず、獲物のほうでその策には乗りますまい」
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ああ、海豹島、三万の膃肭獣おっとせいと三十万のロッペンちょう
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)