“拉”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
らっ61.1%
ひし17.9%
らつ8.6%
つ4.9%
ひ2.5%
とりひし1.9%
さら0.6%
と0.6%
とりひ0.6%
ひしや0.6%
ら0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
村々で平和な生い立ちを受けた工藝は、激しい競争の都市へと拉(らっ)し去られた。顧客を得るためには、あらゆる手段が余儀なくされる。
工芸の道 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
そういう集団の両刃の斧(おの)は、社会主義的国家の生命なき抽象観念を打ち拉(ひし)ぐとともに、また、生産力なき個人主義、精力を細分する観念
其日の夕方、与次郎は三四郎を拉(らつ)して、四丁目から電車に乗つて、新橋へ行つて、新橋から又引き返して、日本橋へ来て、そこで下(お)りて
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
母親は、庭へ童子を拉(つ)れて出た。童子の好んだ青い扇のような芭蕉は、もう破れた竜旗のようにはたはたと夕風に櫛目を立てていた。
後の日の童子 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
姫に手を拉(ひ)かれたる我は、捕(とらへ)られし小鳥に殊ならず。縱(たと)ひ羽ばたきすとも、歌はでは叶はず。姫の歌はんといふは、わが知れる雙吟(ヅエツトオ)なり。
という声濁りて、痘痕(とうこん)の充(み)てる頬骨(ほおぼね)高き老顔の酒気を帯びたるに、一眼の盲(し)いたるがいとものすごきものとなりて、拉(とりひし)ぐばかり力を籠(こ)めて、お香の肩を掴(つか)み動かし
夜行巡査 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
千代 まあ、此子としたことが——そのやうな事いふものは、あの恐ろしい犬めが拉(さら)つてゆきますぞや。家ではばば様が待つておぢやらう程に、早う参らうわいな。
南蛮寺門前 (新字旧仮名) / 木下杢太郎(著)
ああ誰かわが産土神(うぶすながみ)をかかる遠方へ拉(と)り去れるぞと嘆くを見かねて、一里半ばかりその女児を負い送り届けやりし人ありと聞く。
神社合祀に関する意見 (新字新仮名) / 南方熊楠(著)
断然手を切ッてしまッて、今度こそは思い切ッて非常な事をして、非常な豪胆を示して、本田を拉(とりひ)しいで、そしてお勢にも……お勢にも後悔さして、そして……そして……そして……
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
と言ひ言ひしたといふ程だから、鼻がどんなに拉(ひしや)げてゐたか位は大抵察しられる。
彼女の想像どおり、使者は、口を極めて、夫人を邸の外へ拉(ら)して行こうと努めた。