“樹々”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きぎ80.6%
きゞ16.7%
きヾ2.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
樹々きぎの梢から漏れ落る日の光が厚いこけの上にきらきらと揺れ動くにつれて、静な風の声は近いところに水の流でもあるような響を伝え
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)
樹々きゞえだのこンのゆきも、ちら/\とゆびかげして、おほいなる紅日こうじつに、ゆきうすむらさきたもとく。なん憧憬あこがるゝひとぞ。うたをよみてえだ紅梅こうばいつぼみかんとするにあらず。
婦人十一題 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
空には薄雲が重なり合つて、地平ちへいに近い樹々きヾの上だけ、わづかにほの青い色を残してゐる。そのせゐか秋のの路は、まだ夕暮が来ない内に、砂も、石も、枯草も、しつとりと濡れてゐるらしい。
東洋の秋 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)