“樹下”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こした23.5%
じゆか17.6%
きのもと11.8%
した11.8%
じゅか11.8%
じゅげ11.8%
このした5.9%
このもと5.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
二人はその家を出て樹下こしたの道を辿つて行つた。樟の樹、椿の樹がこんもりとトンネルのやうに茂つて、細い路の先きの先きまで見透される。その路の上をちよこ/\歩いて二三人の人影が見えて来た。
伊良湖の旅 (新字旧仮名) / 吉江喬松(著)
ひらけたる所は月光げつくわうみづの如く流れ、樹下じゆか月光げつくわうあをき雨の如くに漏りぬ。へして、木蔭をぐるに、灯火ともしびのかげれて、人の夜涼やれうかたるあり。
良夜 (新字旧仮名) / 徳冨蘆花(著)
そのまゝ樹下きのもとに立せ玉ふ石地蔵𦬇いしのぢぞうぼさつまへならびたちながら、懐中くわいちゆうよりかゞみいだして鉛粉おしろいのところはげたるをつくろひ、唇紅くちべになどさしてよそほひをなす、これらの粧具しやうぐをかりに石仏せきぶつかしらく。
樹下したに居た奴等は一同みんな逃げ出したが、僕は仕方が無いから默つて居た。
漂泊 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
堤後ていご樹下じゅかに鳴いているのだろう、秋蝉あきぜみの声がしおらしく聞えて来た。
蘆声 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
悉達しった太子出家して苦行六年に近く畢鉢羅ひっぱら樹下じゅげに坐して正覚しょうがくを期した時、波旬はじゅんの三女、可愛、可嬉、喜見の輩が嬌姿荘厳し来って、何故心を守って我をざる
起す松唐松からまつ杉檜森々しん/\として雨ならずとも樹下このしたうるほひたり此間このあひだに在りて始めて人間の氣息ゆるやかなるべきを
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
そはクリストの己が血をもて我等を救ひたまへる時、彼をしてよろこびてエリといはしめし願ひ我等を樹下このもとに導けばなり。 七三—七五
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)