樹下こした)” の例文
二人はその家を出て樹下こしたの道を辿つて行つた。樟の樹、椿の樹がこんもりとトンネルのやうに茂つて、細い路の先きの先きまで見透される。その路の上をちよこ/\歩いて二三人の人影が見えて来た。
伊良湖の旅 (新字旧仮名) / 吉江喬松(著)
せちに行けかし春は桜の樹下こしたみちかなしめりともせちに行けかし
(新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
まきの葉れたる樹下こした隠沼こもりぬにて
(新字旧仮名) / 石川啄木(著)
樹下こしたより樹下こしたをつたひ
藤村詩抄:島崎藤村自選 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
かちかちにつぼむ桜の樹下こしたみちしなび蜜柑みかんいて通るも
(新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
樹下こしたの墓を横ぎりて
藤村詩抄:島崎藤村自選 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)