“きヾ”の漢字の書き方と例文
語句割合
樹々100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
空には薄雲が重なり合つて、地平ちへいに近い樹々きヾの上だけ、わづかにほの青い色を残してゐる。そのせゐか秋のの路は、まだ夕暮が来ない内に、砂も、石も、枯草も、しつとりと濡れてゐるらしい。
東洋の秋 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
路をさしはさんだ篠懸すずかけも、ひつそりと黄色い葉を垂らしてゐる。ほのかに霧の懸つてゐるく手の樹々きヾあひだからは、唯、噴水のしぶく音が、百年の昔も変らないやうに、小止をやみないさざめきを送つて来る。
東洋の秋 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)