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木々
春の
風は、
青々と
晴れた
空を
渡っていました。そして
木々の
小枝は、
風に
吹かれて、なにか
楽しそうに
小唄をうたっていたのです。
四
月すると、
木々の
梢が
青葉に
包まれ、
枝と
枝が
重なり
合って、
小鳥は
森に
谺を
起こして、
木の
上の
花を
散らすくらいに、
歌い
出しました。
愛ちやんは
心配さうに
木々の
間を
覗き
廻つてゐましたが、
軈て
其頭の
眞上にあつた
小さな
尖つた
木の
皮に、ひよいと
眼が
着きました。
さういふわけで
夏には
木々は、
見るからに
元氣な
青々した
色をして、はちきれるような
生活をします。