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きゞ
愛ちやんは
心配さうに
木々の
間を
覗き
廻つてゐましたが、
軈て
其頭の
眞上にあつた
小さな
尖つた
木の
皮に、ひよいと
眼が
着きました。
さういふわけで
夏には
木々は、
見るからに
元氣な
青々した
色をして、はちきれるような
生活をします。
戸外へ伴ひ出し
保養をさせて下されと
言ば忠兵衞心得て
主個の前を
退出けり其年もはや彌生の初旬
木々の
梢に
花咲出徐々と吹く春風も
自然なる温暖さ然ども
息子長三郎は例の如く籠りゐる
障子を
木々みな
死ぬと
泣く
庭に、ひとり
静に
木々は
戰ぎぬ
袖振りて
木々が
若葉青葉に
飾られた
頃はすが/\しい
景色です。