“退出”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひけ25.0%
まかんで25.0%
たいしゆつ10.0%
さがり10.0%
すさりい5.0%
たいしつ5.0%
たいしゅつ5.0%
まかりいで5.0%
まかりで5.0%
タイシュツ5.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
かえって多人数がお廊下などを歩き廻っては面白くないから、安心して、ここで雑談でもしながら退出ひけの時刻を待つとしよう。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
ああ呼吸いきを引取ましたかい。可愛や可愛や、袖振合うも他生の縁とやら、お念仏申しましょ。と殊勝らしく眼を擦り赤めてやおら病院を退出まかんでぬ。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
とく取糺とりたゞせし上はかくも相分るべしと有しかば越前守殿承知仕つるとて退出たいしゆつ早速さつそくすけ十郎郷右衞門の兩人を呼出されたり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
と、やり出したとき、どウウウウん、どうん! お太鼓櫓たいこやぐらで打ち出した八刻やつの合図である。長廊下の向うから多勢の気配が曲って来て、老中方お退出さがりという声がする。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
小使うやうやしく入来いりきたりて卓子テエブルの上にそれをせつ、一礼して退出すさりいずるを、と見れば毎晩新聞なり、綾子はかたえ推遣おしやりて
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
島田の住居すまいと扱所とは、もとより細長い一ついえを仕切ったまでの事なので、彼は出勤しっきんといわず退出たいしつといわず、少なからぬ便宜をっていた。彼には天気のい時でも土を踏む面倒がなかった。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「金博士は、本日午後二時十五分より、カセイ・ホテルに現れ、飲酒三時間に及べり。午後五時三十分、退出たいしゅつす」
戸外おもてへ伴ひ出し保養ほやうをさせて下されといへば忠兵衞心得て主個あるじの前を退出まかりいでけり其年もはや彌生の初旬木々きゞこずゑはな咲出さきいで徐々そよ/\と吹く春風も自然おのづからなる温暖さ然ども息子せがれ長三郎は例の如く籠りゐる障子しやうじ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
に今宵こそ屈竟くっきょうなれ。さきに僕退出まかりでし時は、大王は照射ともしが膝を枕として、前後も知らず酔臥えいふしたまひ。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
コレヲ最期ノ参内サンダイゾト、思イ定メテ退出タイシュツアル。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)