“八刻”の読み方と例文
読み方割合
やつ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
海路、摂津せっつから四国へ行く便船は、こよいの八刻やつの上げ潮にともづなを解くというので、夕方の船着場は、積荷や客の送別で雑閙ざっとうしていた。
濞かみ浪人 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、やり出したとき、どウウウウん、どうん! お太鼓櫓たいこやぐらで打ち出した八刻やつの合図である。長廊下の向うから多勢の気配が曲って来て、老中方お退出さがりという声がする。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
むなしく、干し柿は見過ごしてしまったが、程なく木曾第一の殷賑いんしんな地、信濃しなの福島の町中へさしかかると、折から陽も八刻やつ頃だし、腹もり頃なので
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)