退出まかんで)” の例文
ああ呼吸いきを引取ましたかい。可愛や可愛や、袖振合うも他生の縁とやら、お念仏申しましょ。と殊勝らしく眼を擦り赤めてやおら病院を退出まかんでぬ。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
喜び勇んで退出まかんでけり
鬼桃太郎 (新字新仮名) / 尾崎紅葉(著)
... みづかうましとぞんずるものをかまはずつかまつれ」とまた他事たじくおほすれば、不得止やむをえずかしこまりさふらふ」と御請申おうけまをして退出まかんでける。
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
いさむで退出まかんでけり
鬼桃太郎 (旧字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
きざはしを昇ってひざまずいた時、言い知らぬ神霊に、引緊ひきしまった身の、拍手かしわでも堅く附着くッついたのが、このところまで退出まかんでて、やっとたなそこの開くを覚えながら、岸に、そのお珊のたたずんだのを見たのであった。
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)