“咲出”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
さきいで25.0%
さきい25.0%
さきいづ25.0%
さきで25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ヘイ水揚ものも御座りましたが夫も大略あらかた結了かたづいて少のひまを得ましたより參りしわけも外ならず時も彌生やよひの好時節上野隅田すみだの花も咲出さきいで何處も彼所もにぎはふゆゑ貧富ひんぷを問ず己が隨意まゝ割籠わりごを造り酒器さゝへ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
折々をり/\そら瑠璃色るりいろは、玲瓏れいろうたるかげりて、玉章たまづさ手函てばこうち櫛笥くしげおく紅猪口べにちよこそこにも宿やどる。龍膽りんだういろさわやかならん。黄菊きぎく白菊しらぎく咲出さきいでぬ。可懷なつかしきは嫁菜よめなはなまがきほそ姿すがたぞかし。
五月より (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
夕暮よりも薄暗い入梅の午後牛天神うしてんじんの森蔭に紫陽花あじさい咲出さきいづる頃、または旅烏たびがらすき騒ぐ秋の夕方沢蔵稲荷たくぞういなり大榎おおえのきの止む間もなく落葉おちばする頃、私は散歩の杖を伝通院の門外なる大黒天だいこくてんきざはしに休めさせる。
伝通院 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
へたのが何時いつびて、丁度ちやうど咲出さきで桔梗ききやうはなが、浴衣ゆかたそで左右さいうわかれて、すらりとうつつて二三りんいろにもればかげをも宿やどして、雪洞ぼんぼりうごくまゝ、しづかな庭下駄にはげたなびいて
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)