“咲満”の読み方と例文
旧字:咲滿
読み方割合
さきみ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あわれ、高坂が緊乎しっかめた手はいたずらに茎をつかんで、たもとは空に、美女ヶ原は咲満さきみちたまま、ゆらゆらと前へ出たように覚えて、人の姿は遠くなった。
薬草取 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
……土塀の崩屋根くずれやねを仰いで血のやうな百日紅さるすべり咲満さきみちた枝を、涼傘ひがささきくすぐる、とたまらない。とぶる/\ゆさ/\とるのに、「御免なさい。」と言つて見たり。
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
真紅の花の咲満さきみちた、雲の白い花園に、ほがらかな月の映るよ、とその浴衣の色を見たのであった。
霰ふる (新字新仮名) / 泉鏡花(著)