“咲松”の読み方と例文
読み方割合
さきまつ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その時咲松さきまつという若い芸者が私の顔を見て、「またトランプをしましょう」と云った。私は小倉こくらはかま穿いて四角張っていたが、懐中には一銭の小遣こづかいさえ無かった。
硝子戸の中 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
その私は「御作おさくが好い御客に引かされた」といううわさを、従兄いとこうちで聞いた。従兄の家では、この女の事を咲松さきまつと云わないで、常に御作御作と呼んでいたのである。
硝子戸の中 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)