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其頭
愛ちやんは
心配さうに
木々の
間を
覗き
廻つてゐましたが、
軈て
其頭の
眞上にあつた
小さな
尖つた
木の
皮に、ひよいと
眼が
着きました。
『さァ、
辛と
第一の
節が
終へた』と
帽子屋が
云つて、『
其時に
女王は
跳び
上り、「
時を
打殺してるのは
彼れだ!
其頭を
刎ねて
了へ!」と
叫びました』
他の
者らは
好い
幸ひに
其れを
坐布團にして
其上に
彼等の
肘を
載せ、
其頭を
越えて
向ひ
合せになつて
話してゐました。