“重石”の読み方と例文
読み方割合
おもし100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
死体があがらないといった、けさのひと言が重石おもしになり、そうして立っていても、ぼんやりと青年の追憶にふけっている瞬間がある。
あなたも私も (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
それに対したのが気軽そうな宗匠振そうじょうぶり朽色くちいろの麻の衣服に、黒絽くろろ十徳じっとくを、これも脱いで、矢張飛ばぬ様に瓢箪ひょうたん重石おもしに据えていた。
悪因縁の怨 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
行きあう人の顔も、見おぼえがなかった。まるで遠い国へきたような心細さが、みんなの胸の中にだんだん、重石おもしのようにしずんでいく。
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)