“おもし”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
重石68.4%
重量5.3%
面白5.3%
3.5%
押石3.5%
重錘3.5%
3.5%
1.8%
圧石1.8%
壓石1.8%
文鎮1.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それに対したのが気軽そうな宗匠振そうじょうぶり朽色くちいろの麻の衣服に、黒絽くろろ十徳じっとくを、これも脱いで、矢張飛ばぬ様に瓢箪ひょうたん重石おもしに据えていた。
悪因縁の怨 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
「ただ捨てて来るから、又すぐ戻って来るのだ。今度は二度と帰られないように重量おもしをつけて海へ沈めてしまえ。こんな化け猫を生かして置くと、どんな禍いをするか知れない」
半七捕物帳:12 猫騒動 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
面白おもしろい/\。』と武村兵曹たけむらへいそう頬鬚ほうひげでた。
町のおもしになつてゐて、その町を素通りする旅人にも、ああ、この辺がクライマツクスだな、と感じさせるやうに出来てゐるものだが、鰺ヶ沢にはそれが無い。
津軽 (新字旧仮名) / 太宰治(著)
自分で動かさうと思つて動かしたのではないけれど、押石おもしをとれば接木つぎきの枝がねかへる様に、俺の感情も押石の理智が除かれたから、おのづから刎ねかへつて、そのほしいままな活動を起して来たのである。
公判 (新字旧仮名) / 平出修(著)
明らかにそれは、二重に重錘おもしの加わった、失望を意味するのだから。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
葺たる上に算木さんぎといふ物をつくそへ石をおきおもしとし風をふせぐ便たよりとす。これゆゑに雪をほりのくるといへどもつくすことならず、その雪のうへに早春さうしゆんの雪ふりつもりてこほるゆゑ屋根のやぶれをしらず。
体中に強いおもしを加えられているようで、息苦しかった。
日は輝けり (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
暫らくして再び神戸を抜錨ばつびょうした諾威ノルウェー船ヴィクトル・カレニナ号が大洋へ乗出すと間もなく、帆布に包まれて火棒デレキ圧石おもしに付けた大きな物が舷側サイドから逆巻く怒涛の中へ投込まれた。
上海された男 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
圭一郎は抑へられてゐた壓石おもしから摩脱すりぬけられたやうな、活き返つた喜びを感じた。
崖の下 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
君はがんじょうな文鎮おもしになって小さな部屋を吹雪ふぶきから守るように見えた。
生まれいずる悩み (新字新仮名) / 有島武郎(著)