“抜錨”の読み方と例文
旧字:拔錨
読み方割合
ばつびょう100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
抜錨ばつびょう後二時間にして、船は魚津に着きぬ。こは富山県の良港にて、運輸の要地なれば、観音丸かんのんまるは貨物を積まむために立寄りたるなり。
取舵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
抜錨ばつびょうの時刻は一秒一秒にせまっていた。物笑いのまとになっている、そう思うと葉子の心はいとしさから激しいいとわしさに変わって行った。
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
流汗をふるいつつ華氏九十九度の香港ほんこんより申し上げそろ佐世保させほ抜錨ばつびょうまでは先便すでに申し上げ置きたる通りに有之これあり候。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)