“観音丸”の読み方と例文
読み方割合
かんのんまる100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
抜錨ばつびょう後二時間にして、船は魚津に着きぬ。こは富山県の良港にて、運輸の要地なれば、観音丸かんのんまるは貨物を積まむために立寄りたるなり。
取舵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
観音丸かんのんまるは直江津に安着あんちゃくせるなり。乗客は狂喜の声をげて、甲板デッキの上におどれり。拍手はおびただしく、観音丸かんのんまる万歳! 船長万歳! 乗合のりあい万歳!
取舵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ここ一時間を無事に保たば、安危あんきの間をする観音丸かんのんまるは、つつがなく直江津にちゃくすべきなり。かれはその全力を尽して浪をりぬ。
取舵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)