“おもり”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:オモリ
語句割合
64.4%
重錘13.3%
沈子4.4%
3.3%
測深錘2.2%
鉛錘2.2%
1.1%
御守1.1%
1.1%
神詛1.1%
重子1.1%
重量1.1%
錘具1.1%
錘玉1.1%
1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
何だか先におもりのようななまりがぶら下がってるだけだ。うきがない。浮がなくって釣をするのは寒暖計なしで熱度をはかるようなものだ。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
縄の末端に結びつけられた重錘おもりの重さの相違で縄は動くのだ。縄が動くにつれて歯車はきりきりと低い音を立てて廻る。
星座 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
申松はブリ/\言つて居りますが、この鉛の沈子おもりの紛失が、平次には全く違つた事を教へてゐる樣子です。
なまりおもりかとおもふ心持こゝろもちなにでゞもあるからんと、二三ふつたが附着くツついてそのまゝにはれないから、何心なにごゝろなくをやつてつかむと、なめらかにひやりとた。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
彼は偽善者のやうな優しい調子でわしの健康を尋ねながら、絶えず其獅子のやうな黄色い大きな眼をわしの上に注いで、測深錘おもりのやうな透視をわしの霊魂の中に投入れるのである。
クラリモンド (新字旧仮名) / テオフィル・ゴーチェ(著)
綸、天蚕糸てぐすなど異りたること無し。鉤もまた昔ながらの狐形と袖形となり。たゞ鉛錘おもり近来ちかごろの考に成りたる由にて、「にっける」の薄板をせたれば光り輝きて美し。
鼠頭魚釣り (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
おのれが手に塗付ぬりつけ笈笠おひがさへ手の跡を幾許いくつとなくなすり付又餞別にもらひし襦袢じゆばん風呂敷ふろしきへも血を塗てたる衣服いふくの所々を切裂きりさきこれへも血を夥多したゝか塗付ぬりつけたれが見ても盜賊たうぞくに切殺れたるていこしらへ扨犬の死骸しがいおもり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
これで又四五日の間は、はげしい発作ほっさ御守おもりをしなければなるまいと、私はいっそ覚悟を極めて了った程でした。
モノグラム (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
あらため見れば、鈎※はりすおもり、綸など、みだれに紊れ、処々に泥土さへ着きて、前回の出遊に、雪交りの急雨にひ、手の指かじかみて自由利かず、其のまゝ引きくるめ、這々ほうほうの体にて戻りし時の
元日の釣 (新字旧仮名) / 石井研堂(著)
山原やんばる神詛おもりに数首出ているのと照し合わせて、いわゆる「やまと旅」の目的の、ただに物質的要求のみならず、宗教的要求あるいは余り物質的でない要求の顕著であったことを述べ
土塊石片録 (新字新仮名) / 伊波普猷(著)
女猫めねこを慕う男猫の思い入ったような啼声なきごえが時折り聞こえるほかには、クララの部屋の時計の重子おもりが静かに下りて歯車をきしらせる音ばかりがした。
クララの出家 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
もうもう五宿の女郎の、油、白粉おしろい襟垢えりあかにおいまで嗅いで嗅いで嗅ぎためて、ものの匂で重量おもりがついているのでございますもの、夢中だって気勢けはいが知れます。
政談十二社 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
鉤には誰かが河豚ふぐにでも切られたらしい釣鉤と錘具おもりとが引つ懸つてゐるばかしで鱚らしいものは一ぴきをどつてゐなかつた。
……ヘヘ……まだまだビックリなさるお話が御座りまする。その振袖娘の振る骰子が、内部なか錘玉おもりの付いたマヤカシ骰子ざいと言う事実を
女房はしかたなしに人を頼んで、荒川へ持って往って流してもらったが、箱は投げこんだ処へおもりけたように浮かんだままで流れなかった。
偶人物語 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)