“おもり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
64.3%
重錘14.3%
沈子4.8%
3.6%
測深錘2.4%
鉛錘2.4%
御守1.2%
1.2%
重子1.2%
重量1.2%
(他:3)3.4%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
けれどもある日、彼はもうたえ得ないで、自分の不幸のうちに急におもりを投げ込んで探ってみるような漠然ばくぜんたる絶望の念で、彼女に言った。
おもりは、流速の様子によって調節するのであるが、一匁から三匁くらいまでの間の錘が水底へつかないほど速い流れには寒鮒は棲まぬものと考えてよかろう。
寒鮒 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
道糸は秋田の渋糸十五本撚りか二十本撚り、おもりから上方三、四尺を一厘五毛柄のテグスにして、錘は自由に調節ができるように板鉛を使うのが便利である。
細流の興趣 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
自分は男の身体について居る重錘おもりのやうに、段々男を浮ぶ瀬のないやうに、沈落させて行くのだと思ふと、女は心の底から男に済まないと思ひ出した。
海の中にて (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
つまりピアノ線の両端に重錘おもりをつけたようなものを矢鱈やたらと空中に打ち上げれば襲撃飛行機隊は多少の迷惑を感じそうな気がする。
烏瓜の花と蛾 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
生きながら皮袋に入れて水の中に放り込んでしまうのもあり、また船に乗せ川の中流に連れて行って、そうしてそれをくくって水に漬け石の重錘おもりを付けて沈めるのです。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
やがて潮が動き出せば浮子は沈子おもりが重ければ水にしおられて流れて沈んでしまうし、沈子が軽ければ水と共に流れてしまうであろう。
蘆声 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
秋田糸や人造テグスの発明、沈子おもりの改良、毛バリの創作といつた風に、だんだんと明治の釣りから大正昭和の釣りは変つて来た。
日本の釣技 (新字旧仮名) / 佐藤惣之助(著)
申松はブリ/\言つて居りますが、この鉛の沈子おもりの紛失が、平次には全く違つた事を教へてゐる樣子です。
又此上御わづらひおもり候ては、誠にやみの世の中に罷成儀と、只身の置處を不知候。
遺牘 (旧字旧仮名) / 西郷隆盛(著)
円天井の建物も、土台の石におもりを托して、
なまりおもりかとおもふ心持こゝろもちなにでゞもあるからんと、二三ふつたが附着くツついてそのまゝにはれないから、何心なにごゝろなくをやつてつかむと、なめらかにひやりとた。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
彼は偽善者のやうな優しい調子でわしの健康を尋ねながら、絶えず其獅子のやうな黄色い大きな眼をわしの上に注いで、測深錘おもりのやうな透視をわしの霊魂の中に投入れるのである。
クラリモンド (新字旧仮名) / テオフィル・ゴーチェ(著)
それでもジャヴェルは、測深錘おもりのように二、三の質問をテナルディエの話のうちに投げ込んでみた。
たゞ鉛錘おもり近来ちかごろの考に成りたる由にて、「にっける」の薄板をせたれば光り輝きて美し。
鼠頭魚釣り (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
十五匁程の鉛錘おもり進退しんたいかんによりて、菅絲すがいとに懸る。
大利根の大物釣 (新字新仮名) / 石井研堂(著)
これで又四五日の間は、はげしい発作ほっさ御守おもりをしなければなるまいと、私はいっそ覚悟を極めて了った程でした。
モノグラム (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
あらため見れば、鈎※はりすおもり、綸など、みだれに紊れ、処々に泥土さへ着きて、前回の出遊に、雪交りの急雨にひ、手の指かじかみて自由利かず、其のまゝ引きくるめ、這々ほうほうの体にて戻りし時の、敗亡のあと歴然たり。
元日の釣 (新字旧仮名) / 石井研堂(著)
女猫めねこを慕う男猫の思い入ったような啼声なきごえが時折り聞こえるほかには、クララの部屋の時計の重子おもりが静かに下りて歯車をきしらせる音ばかりがした。
クララの出家 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
もうもう五宿の女郎の、油、白粉おしろい襟垢えりあかにおいまで嗅いで嗅いで嗅ぎためて、ものの匂で重量おもりがついているのでございますもの、夢中だって気勢けはいが知れます。
政談十二社 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
鉤には誰かが河豚ふぐにでも切られたらしい釣鉤と錘具おもりとが引つ懸つてゐるばかしで鱚らしいものは一ぴきをどつてゐなかつた。
「……ヘヘ……まだまだビックリなさるお話が御座りまする。その振袖娘の振る骰子が、内部なか錘玉おもりの付いたマヤカシ骰子ざいと言う事実を存じておりまするのは今の処、広い博多に私一人かと存じますので……」
女房はしかたなしに人を頼んで、荒川へ持って往って流してもらったが、箱は投げこんだ処へおもりけたように浮かんだままで流れなかった。
偶人物語 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)