沈子おもり)” の例文
その眼は清らかに澄み、そのおもては明らかに晴れていた。自分は小嚢こぶくろから沈子おもりを出して与え、かつそのシカケを改めてろうとした。ところが少年は
蘆声 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
申松はブリ/\言つて居りますが、この鉛の沈子おもりの紛失が、平次には全く違つた事を教へてゐる樣子です。
れに、倫糸みちいとのテグスの結び方一つ、鈎の選み方一つ、或は沈子おもり、又は竿の調子、餌のさし方、それぞれ微細なところで、失敗したり、成功したり、潮の見方とか
釣心魚心 (新字旧仮名) / 佐藤惣之助(著)
鮎、鯉、きすなどの専門の竿が出来る。秋田糸や人造テグスの発明、沈子おもりの改良、毛バリの創作といつた風に、だんだんと明治の釣りから大正昭和の釣りは変つて来た。
日本の釣技 (新字旧仮名) / 佐藤惣之助(著)
第一此処ここ浮子釣うきづりに適していない場である。やがて潮が動き出せば浮子は沈子おもりが重ければ水にしおられて流れて沈んでしまうし、沈子が軽ければ水と共に流れてしまうであろう。
蘆声 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
居る場所へ行つたら、餌を喰はなくても小さい錨をつけて、引掛けて釣る。至極貪婪でのんきで、しかも気の強い奴だけあつて、沈子おもりで魚頭をコツコツ叩いても逃げはしない。
日本の釣技 (新字旧仮名) / 佐藤惣之助(著)