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錘
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おもり
ふりがな文庫
“
錘
(
おもり
)” の例文
釣鈎、釣竿、釣糸、
錘
(
おもり
)
、えばにいたりますまで、いちいちこまかい習いがあることでございまして、とても、ひとくちには……へい
顎十郎捕物帳:04 鎌いたち
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
何だか先に
錘
(
おもり
)
のような
鉛
(
なまり
)
がぶら下がってるだけだ。
浮
(
うき
)
がない。浮がなくって釣をするのは寒暖計なしで熱度をはかるようなものだ。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
などという理由がどこにあるか? 中途に止まるか否かは
錘
(
おもり
)
に関することであって、錘を投ぐる者のあずかり知るところではない。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
「そうですね。身体の他の部分にも別の
錘
(
おもり
)
をつけましょう。あたしはもっといろいろと考えていますのよ、発展的な実験をね」
海底都市
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
小さい
錘
(
おもり
)
のついた
紐
(
ひも
)
が、この島からおろされると、下にいる人民は、それに手紙をくゝりつけます。そして、紐はすぐまた
吊
(
つ
)
り上げられます。
ガリバー旅行記
(新字新仮名)
/
ジョナサン・スウィフト
(著)
▼ もっと見る
死体に
錘
(
おもり
)
をつけてなかったことも、この考えを確証するものだ。もし岸から投げこむのだったら、錘をつけておいたろう。
マリー・ロジェエの怪事件
(新字新仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
二間一尺の小鮎竿を片手に、肩から
拳
(
こぶし
)
まで一直線に伸ばして、すいすいと水面から抜き上げる
錘
(
おもり
)
に絡んで、一度に二尾も三尾も若鮎が釣れてくる。
父の俤
(新字新仮名)
/
佐藤垢石
(著)
が、フト、後ろからガラッ八の近づくのに気が付くと、草履を脱いで、その上に何やら
紙片
(
かみきれ
)
を置き、
簪
(
かんざし
)
を
錘
(
おもり
)
にして
銭形平次捕物控:058 身投げする女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
そして、その間に細孔を無数に
穿
(
うが
)
った軽量の船形棺を作って、その中に十分腐敗を見定めてから死体を収め、それに長い紐で
錘
(
おもり
)
を附けて湖底に沈めました。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
枝に
錘
(
おもり
)
をかけられて強く曲った
椋
(
むく
)
の木が、ばさッと水玉の粒を散らして、元の姿勢にハネ返ったかと思うと——
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼はまだ思い切って十分にその歓喜を表白できなかったが、まるで五プードもある
錘
(
おもり
)
が胸から取りのけられでもしたように、まるで熱病やみのように震えた。
罪と罰
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
足枷
(
あしかせ
)
をおもわせる赤い豚革の
編上靴
(
あみあげぐつ
)
が、まるで彼を風に吹き飛ばされないための
錘
(
おもり
)
のようにならんでいた。
煙突
(新字新仮名)
/
山川方夫
(著)
用尿の折はその鍵を外してこれを行うのだが、相当に重いこの鍵はぶらんぶらんしていて、
錘
(
おもり
)
に似ていた。
われはうたえども やぶれかぶれ
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
上方の横木から
錘
(
おもり
)
が下っていて、その重さによって門は常に閉じてあるが、人が入る時には、錘が数回、門にぶつかって音を立て、かくて門鈴の役もつとめる。
日本その日その日:03 日本その日その日
(新字新仮名)
/
エドワード・シルヴェスター・モース
(著)
一俵掛けて、兄弟してうんと力を入れた時は、二人とも顔が
真紅
(
まつか
)
に成る。地主は
衡
(
はかりざを
)
の
平均
(
たひら
)
になつたのを見澄まして、
錘
(
おもり
)
の糸を動かないやうに持添へ乍ら調べた。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
彼の足には鎖が附いて重さが七八貫も有ろうかと思われる鉛の
錘
(
おもり
)
へ、極短く結び附けられて居るのだ。
幽霊塔
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
悔恨の銀の色の
錘
(
おもり
)
を胸に置かれた鏡子が
庭口
(
にはぐち
)
から入つて行つた時、書斎の敷居の上に坐つて英也は新聞を見て居た。座敷の
縁
(
えん
)
ではお照がまだ榮子に
乳
(
ちゝ
)
を含ませて居た。
帰つてから
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
彼は帆布で縫いぐるみにされて、火床の鉄棒を二本
錘
(
おもり
)
に入れられる。帆布に縫い込まれた彼は、人参か大根のように見える。頭の方が拡がって、足の方が
窄
(
つぼ
)
まっている。
グーセフ
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
云わばわたくしの心の
秤
(
はかり
)
は数馬に傾いて居るのでございまする。わたくしはこの心の
秤
(
はかり
)
を
平
(
たい
)
らに致したい一心から、自然と多門の皿の上へ
錘
(
おもり
)
を加えることになりました。
三右衛門の罪
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
鉛
(
なまり
)
の
錘
(
おもり
)
かとおもう心持、何か木の実ででもあるかしらんと、二三度振ってみたが
附着
(
くッつ
)
いていてそのままには取れないから、何心なく手をやって
掴
(
つか
)
むと、
滑
(
なめ
)
らかに
冷
(
ひや
)
りと来た。
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
また
錘石
(
おもりいし
)
といふのがあります。それは
平
(
ひら
)
たい
石塊
(
いしころ
)
の
上下
(
じようげ
)
を
少
(
すこ
)
し
打
(
う
)
ち
缺
(
か
)
いて
紐絲
(
ひもいと
)
を
懸
(
か
)
けるのに
便利
(
べんり
)
にしてあるもので、
網
(
あみ
)
の
錘
(
おもり
)
とか、
機織
(
はたお
)
りに
使用
(
しよう
)
したものかといはれてゐます。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
不意に、一種異様なる鼻唄の聞え出したのは、例の茂太郎の
出鱈目
(
でたらめ
)
ではなく、マドロス君がマドロス服で、おかしい節をつけながら、海の中から
錘
(
おもり
)
をひきあげているのです。
大菩薩峠:32 弁信の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
彼にとってジョーンは
碇
(
いかり
)
であった。時には厄介千万であったが、又時には落付かせて呉れる
錘
(
おもり
)
であった。嫌に取り
済
(
すま
)
したのが生意気に見えて
癪
(
しゃく
)
に触ったが、
懐
(
なつ
)
かしくも思った。
決闘場
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
「ふふ。」浅井も笑いながら、尻に
錘
(
おもり
)
のついた動物どもを、手に取りあげて眺めていた。
爛
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
それはツイ一時間ばかり前に、二重の
麻袋
(
ドンゴロス
)
に入れて、
松脂
(
チャン
)
やタールでコチンコチンに塗り固めて、大きな
銑鉄
(
せんてつ
)
の
錘
(
おもり
)
を付けて、確かに海の底へ沈めた筈の二人の水夫に違いなかった。
幽霊と推進機
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
水の深さを測るには、長い糸のはしにつけた
錘
(
おもり
)
を海の中に投げ込む。糸は錘で巻かれる気づかいはないから、錘が落ちて行つて水につかつた糸の長さが、その水の深さを示すのだ。
科学の不思議
(新字旧仮名)
/
ジャン・アンリ・ファーブル
(著)
只
(
たゞ
)
一
本
(
ぽん
)
の
綱
(
つな
)
の
臀
(
しり
)
には
彼等
(
かれら
)
のいふ「どツぺ」が
附
(
つ
)
いて
居
(
ゐ
)
てそれがどさりと
疊
(
たゝみ
)
を
打
(
う
)
つて
一人
(
ひとり
)
の
手
(
て
)
もとへ
引
(
ひ
)
かれる。どつぺは一
厘錢
(
りんせん
)
を三
寸
(
ずん
)
ばかりの
厚
(
あつ
)
さに
穴
(
あな
)
を
透
(
とほ
)
してぎつと
括
(
くゝ
)
つた
錘
(
おもり
)
である。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
それでも
秤
(
はかり
)
は
錘
(
おもり
)
の方がはね上った。すると肉屋はまたそれを俎の上におろして、ほんの少しばかり端っこを切りとった。そしてもう一度秤にかけた、今度は錘の方がやや低目になった。
次郎物語:01 第一部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
そは今書かず
候
(
さふらふ
)
。千
斤
(
きん
)
の
錘
(
おもり
)
この日より我胸を押すと
唯
(
たゞ
)
知り給へ。昼前ベツカ夫人に誘はれ私は
甲板
(
かふばん
)
に出でて
籐
(
とう
)
椅子の上の
一人
(
ひとり
)
となり申し
候
(
さふらふ
)
。安達様
御
(
ご
)
夫婦も
傍
(
かたはら
)
にて
書見
(
しよけん
)
など遊ばし
居
(
を
)
られ
候
(
さふらふ
)
。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
つまりピアノ線の両端に
錘
(
おもり
)
をつけたようなものをやたらと空中へ打ち上げれば襲撃飛行機隊は多少の迷惑を感じそうな気がする。少なくも爆弾よりも安価でしかもかえって有効かもしれない。
からすうりの花と蛾
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
仰向になつて、足の先に分銅の様な
錘
(
おもり
)
をつけて引き伸ばされたなりに身動きも出来ず、次第に間遠にはなつて行つたが、時々
錐
(
きり
)
で揉み通される様に襲うて来る傷口の痛みには堪へられなかつた。
世の中へ
(新字旧仮名)
/
加能作次郎
(著)
俊男は
今年
(
ことし
)
三十になる。
某
(
ぼう
)
私立大學
(
しりつだいがく
)
の
倫理
(
りんり
)
を
擔任
(
たんにん
)
してゐるが、講義の
眞面目
(
まじめ
)
で親切である
割
(
わり
)
に生徒の
受
(
うけ
)
が
好
(
よ
)
くない。
自躰
(
じたい
)
心に
錘
(
おもり
)
がくツついてゐるか、
言
(
ことば
)
にしろ態度にしろ、
嫌
(
いや
)
に沈むでハキ/\せぬ。
青い顔
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
何度も突っかえてはやめ、ついには
恨
(
うら
)
めしそうに実枝の顔を見た。突然、怒ったような顔つきになり、重吉は手近の太刀魚鉤を
掴
(
つか
)
んで縁側へ投げつけた。テグスについている
錘
(
おもり
)
が大きな音を立てた。
暦
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
無限の夜が、その向ふに
錘
(
おもり
)
のやうにつらなる。
希臘十字
(新字旧仮名)
/
高祖保
(著)
二つ死滅の運命の
錘
(
おもり
)
をおけり、其一は 210
イーリアス:03 イーリアス
(旧字旧仮名)
/
ホーマー
(著)
支柱にかけた竪網の 風に搖らぐ瀬戸の
錘
(
おもり
)
と
閒花集
(旧字旧仮名)
/
三好達治
(著)
金
(
きん
)
の
秤目
(
はかりめ
)
、その
極
(
はて
)
の星にかかれる身の
錘
(
おもり
)
。
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
「言葉じゃないよ、
錘
(
おもり
)
だ!」
マクシム・ゴーリキイの伝記:幼年時代・少年時代・青年時代
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
音もなく……
錘
(
おもり
)
の底から
太陽の子
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
かなり重い
錘
(
おもり
)
でしたが
樹木とその葉:13 釣
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
何だか先に
錘
(
おもり
)
の様な鉛がぶら下がつてる丈だ。
浮
(
うき
)
がない。浮がなくつて釣をするのは寒暖計なしで熱度をはかる様なものだ。
坊っちやん
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
道糸は秋田の三十本撚りくらいにして
錘
(
おもり
)
から上を三、四尺三厘柄のテグス、鈎は中輪の三分くらいで二本鈎にする。
巣離れの鮒
(新字新仮名)
/
佐藤垢石
(著)
死体を沈めるのに
錘
(
おもり
)
をつけるくらいの用心はたやすくできたろうに、それをしないで死体を投げこむということは、どうしてもありそうもないことである
マリー・ロジェエの怪事件
(新字新仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
その未知の世界を
検
(
しら
)
べること、その
闇
(
やみ
)
の中に
錘
(
おもり
)
を投ずること、その
深淵
(
しんえん
)
の中に探査に行くこと、だれがそれをあえてなし得たろうか。それこそ
戦慄
(
せんりつ
)
すべきことだった。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
千貫目の
錘
(
おもり
)
を掛けられたやうな腕を差出して、苦痛に
歪
(
ゆが
)
む頬に、我慢の微笑を浮べます。
銭形平次捕物控:011 南蛮秘法箋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
私がひざまずいていると、地面から首のところへ梯子をかけ、一人がこの梯子にのぼって、私の
襟首
(
えりくび
)
から地面まで、
錘
(
おもり
)
のついた綱をおろす、それがちょうど、上衣の丈になるのでした。
ガリバー旅行記
(新字新仮名)
/
ジョナサン・スウィフト
(著)
錘
(
おもり
)
をつけられかつ呪われたままで泥底のなかに沈みこんでいることなどがあった。
幻影の都市
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
勝美
(
かつみ
)
夫人の問題へ話題を進めようと思いましたから、早速三浦の
言尻
(
ことばじり
)
をつかまえて、『そんなに君が旧弊好きなら、あの開化な細君はどうするのだ。』と、
探
(
さぐ
)
りの
錘
(
おもり
)
を投げこみました。
開化の良人
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
笹村は
階下
(
した
)
へ降りて来て、また机の前に坐った。大きな西洋紙に書いた原稿の初めの方が二、三冊机の上にあった。笹村は
錘
(
おもり
)
のかかったような気を引き立てて、ぽつぽつ筆を加えはじめた。
黴
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
八人坊主
(
はちにんばうず
)
といふのは
其
(
その
)
繩
(
なは
)
を
捲
(
ま
)
いたいはゞ
小
(
ちひ
)
さな
錘
(
おもり
)
である、
八
(
やつ
)
つあるので
八人坊主
(
はちにんばうず
)
といつて
居
(
ゐ
)
る。
小作米
(
こさくまい
)
を
入
(
い
)
れる
藁俵
(
わらだはら
)
を四五
俵分
(
へうぶん
)
作
(
つく
)
らねば
成
(
な
)
らぬことが
稼
(
かせ
)
ぎに
出
(
で
)
る
時
(
とき
)
から
彼
(
かれ
)
には
心掛
(
こころがか
)
りであつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
錘
漢検準1級
部首:⾦
16画
“錘”を含む語句
紡錘
重錘
鉛錘
圓錘形
紡錘形
測深錘
錘錬
三角錘
錘鉛
錘舌鐘
錘舌
錘石
錘玉
錘数
錘具
重錘揚
角錘形
紡錘竹
沈錘
方錘形
...