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木片
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きぎれ
ふりがな文庫
“
木片
(
きぎれ
)” の例文
「おい、なんでもいいから、護身用になる
木片
(
きぎれ
)
でもナイフでも用意しろ。貝谷は銃を大切にしろ。銃は一挺しかないんだからな」
幽霊船の秘密
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
コンドツチイ街(ヰヤ、コンドツチイ)の角を過ぐれば、むかしながらのペツポが手に
屐
(
あしだ
)
まがひの
木片
(
きぎれ
)
を裝ひて、道の傍に坐せるを見る。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
そういう祖父は器用なたちで、私のために
木片
(
きぎれ
)
に船を彫ったり、また竹細工に渋紙を張ったりして飛行機の模型などを造ってくれたりした。
桜林
(新字新仮名)
/
小山清
(著)
この卓上電話は見た所はどうもないが、僕は貴様が窓の所に行った
隙
(
すき
)
に、この受話器を掛ける所に、ちょっとした
木片
(
きぎれ
)
をかっておいたのだ。
計略二重戦:少年密偵
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
ところどころの
巌角
(
いわかど
)
に波
砕
(
くだ
)
け散る。秋。成経
浜辺
(
はまべ
)
に立って海のかなたを見ている。康頼岩の上に腰をおろして
木片
(
きぎれ
)
にて
卒都婆
(
そとば
)
をつくっている。
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
▼ もっと見る
彼はそれよりも
木片
(
きぎれ
)
の方が好きだ。木片は二本あって、上下に交り合っている。彼がぴょんぴょん跳んでいるのを見ると、私は胸が悪くなる。
博物誌
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
それほど、この男の悪を憎む心は、老婆の床に挿した松の
木片
(
きぎれ
)
のように、勢いよく燃え上り出していたのである。
羅生門
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
がんりきは燃えさしの
木片
(
きぎれ
)
を
松明
(
たいまつ
)
のようにして本堂の方へ行ってみる、畳の破れへ足がひっかかって転びそうになった途端に、代用の松明が消えかかる。
大菩薩峠:07 東海道の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
笠は吹き
攫
(
さら
)
われるずぶ
濡
(
ぬ
)
れにはなる、おまけに
木片
(
きぎれ
)
が飛んで来て額にぶつかりくさったぞ、いい面の皮とは
我
(
おれ
)
がこと、さあさあ一所に来てくれ来てくれ
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
雨降がつづいて、
木片
(
きぎれ
)
や
鋸屑
(
おがくず
)
の散らかった土間のじめじめしているようなその店へ、二人は移りこんで行った。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
沢庵
(
たくあん
)
を
噛
(
かじ
)
つて、紙と
木片
(
きぎれ
)
とで出来上つた家に住んでゐる日本人などと比べ物にはならないといふので、日本人が滅多に手も着けない
飛切
(
とびきり
)
の上等品を買込むが
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
ネルロの
詫言
(
わびごと
)
に耳をも貸さず、家賃や地代が払えないなら、その代り小屋にあるものは、鍋から釜から、
木片
(
きぎれ
)
一つ、
石塊
(
いしくれ
)
一つに至るまで、すっかりおいて明日限り立ち退けと
フランダースの犬
(新字新仮名)
/
マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー
(著)
池
(
いけ
)
の
端
(
はた
)
の
柳
(
やなぎ
)
の木の下に
蹲
(
うずくま
)
って、落ちた
木片
(
きぎれ
)
で地に何か字を書きながら、伊藤は続けた。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
そこにうごめいている影——作爺さんは、チョビ安の出現と同時に、何かひどく狼狽して、今まで削っていた小さな
木片
(
きぎれ
)
を手早く押入れへほうりこみ、ぴっしゃり唐紙をしめきって
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
私のお願いいたしますのは、私の亭主の名前を書きました小さな石か
木片
(
きぎれ
)
を一つ、亭主の寝ております場所がわかりますように、その上に置かせていただきたいということでございます。
二都物語:01 上巻
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
木片
(
きぎれ
)
、
砂埃
(
すなぼこり
)
などの散乱した中に、患者はベッドもなく、幕の上に毛布を敷いた応急の病床に、ところ狭く
横
(
よこた
)
わり、その枕元に附添人、看護婦などがうずくまるという有様、電燈線は切断され
偉大なる夢
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
それで
最初
(
さいしよ
)
は
今日
(
こんにち
)
の
猿
(
さる
)
などと
同
(
おな
)
じく、たゞそのあたりにある
木片
(
きぎれ
)
だとか
石塊
(
いしころ
)
だとかをもつて、
穴
(
あな
)
を
掘
(
ほ
)
つて
蟲
(
むし
)
をとつたり、あるひは
木
(
き
)
の
實
(
み
)
をわつて
食
(
く
)
ふといふような
生活
(
せいかつ
)
をしてゐたのでありませう。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
一方の川の
端
(
はし
)
は材木の置場である、何でも人の噂によると、その当時
取払
(
とりはら
)
いになった、
伝馬町
(
でんまちょう
)
の牢屋敷の
木口
(
きくち
)
を
此処
(
ここ
)
へ持って来たとの事で、中には血痕のある
木片
(
きぎれ
)
なども見た人があるとの
談
(
はなし
)
であった
白い蝶
(新字新仮名)
/
岡田三郎助
(著)
藁か腐つた
木片
(
きぎれ
)
かなんぞのやうに扱つてやらうと思ふのです。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
落ちていた四角い
木片
(
きぎれ
)
で潜戸の穴を
塞
(
ふさ
)
いだ。
骸骨の黒穂
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
古い
木片
(
きぎれ
)
で乾杯をする
ランボオ詩集
(新字旧仮名)
/
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー
(著)
その老婆は、右の手に火をともした松の
木片
(
きぎれ
)
を持って、その死骸の一つの顔を覗きこむように眺めていた。髪の毛の長い所を見ると、多分女の死骸であろう。
羅生門
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
お島はのろくさいその居眠姿が
癪
(
しゃく
)
にさわって来ると、そこにあった大きな型定規のような
木片
(
きぎれ
)
を取って、
縮毛
(
ちぢれげ
)
のいじいじした小野田の
頭顱
(
あたま
)
へ
投
(
なげ
)
つけないではいられなかった。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
皆は
木片
(
きぎれ
)
のやうに黙つて
衝立
(
つゝた
)
つてゐたが、暫くすると、仲間の一人がリンカンに言つた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
樹の
生茂
(
おいしげ
)
った中を歩いていたら、わたしの長靴は泥の塊りで重くなった。私はそれを取りのけようと思った。わたしは、森の中でひとかけの
木片
(
きぎれ
)
を
見出
(
みいだ
)
すことが、どんなにむつかしいかを知った。
ぶどう畑のぶどう作り
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
富豪
(
かねもち
)
は
頭
(
かぶり
)
を
掉
(
ふ
)
らうとしたが、頭が
木片
(
きぎれ
)
ででも
拵
(
こさ
)
へてあるやうに重かつた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
木
常用漢字
小1
部首:⽊
4画
片
常用漢字
小6
部首:⽚
4画
“木片”で始まる語句
木片大工
木片微塵