“惶”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あわ32.8%
あわただ29.7%
おそ20.3%
かしこ6.3%
かしこま4.7%
あは3.1%
あわた3.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
極めてゆるやかに、極めて軽やかに梶棒を上にしてひっくり返った。私をのせた若い車夫はあわてて体を反らせ、惰力を制して止った。
突堤 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
立山の絶頂では、室堂むろどうをすぐ脚の下に眺めながら、なぜあのように淋しい頼りない思いに堪え兼ねてあわただしくかけ下りたのか。
秩父のおもいで (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
そも何事の起れるや、問ふ人のみ多くして、答ふる者はなし。全都ぜんとの民は夢に夢見る心地して、只〻心安からずおそまどへるのみ。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
ここに天皇、その御子の建く荒き情をかしこみて、詔りたまひしく、「西の方に熊曾建くまそたける二人あり。これまつろはず、禮旡ゐやなき人どもなり。かれその人どもを取れ」
今朝けさから美登利みどり機嫌きげんわるくてみんなあぐねてこまつてます、あそんでやつてくだされとふに、正太しようた大人おとならしうかしこまりて加减かげんるいのですかと眞面目まじめふを、いゝゑ
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
考へ事をして歩いてゐたれば不意のやうにあはててしまいました、よく今夜は来て下さりましたと言へば、あれほど約束をして待てくれぬは不心中ふしんぢうとせめられるに、何なりとおつしやれ
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
良吉の帰っている間入学試験の準備をおこたっていたので、もはや小説など読耽よみふけってはいられなかった。上京までの日数を数えると心があわただしかった。
入江のほとり (新字新仮名) / 正宗白鳥(著)