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惶
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おそ
ふりがな文庫
“
惶
(
おそ
)” の例文
そも何事の起れるや、問ふ人のみ多くして、答ふる者はなし。
全都
(
ぜんと
)
の民は夢に夢見る心地して、只〻心安からず
惶
(
おそ
)
れ
惑
(
まど
)
へるのみ。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
前の世の罪ででもある事か、と自ら危ぶみ、
惶
(
おそ
)
れ、惑い、且つ
怪
(
あやし
)
んでいた葛木は、余りの
呆気
(
あっけ
)
なさにかえって驚いたのである。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ア・バイの壁の隙間から一部始終を覗いていた夫のギラ・コシサンは、半ば驚き半ば
欣
(
よろこ
)
び、大体に於て
惶
(
おそ
)
れ惑うた。
南島譚:02 夫婦
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
さて拙者はここを立ち退き船山城へ伺候致し須々木豊前殿へ仕官する所存、苦情があらば遠慮なく船山城の方へ申し越されい。永居は
惶
(
おそ
)
れハイ左様なら!
郷介法師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
象月に謝罪せんとて鼻を水に入るるに水掻き月影
倍多
(
ふえ
)
たり、兎象に向い汝湖水を
擾
(
みだ
)
せし故月いよいよ
瞋
(
いか
)
ると言い象ますます
惶
(
おそ
)
れ
赦
(
ゆるし
)
を乞い群象を
帥
(
ひき
)
いてその地を去る
十二支考:02 兎に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
▼ もっと見る
今
(
この
)
春
自
(
よ
)
り
已来
(
このかた
)
秋稼
(
しうか
)
に至り風雨
序
(
ついで
)
に
順
(
したが
)
ひて五穀豊かに
穣
(
みの
)
れり。此れ
乃
(
すなは
)
ち誠を
徴
(
あらは
)
し願を
啓
(
ひら
)
くこと、
霊貺
(
りやうきやう
)
答ふるが如し。
載
(
すなは
)
ち
惶
(
おそ
)
れ、載ち惶れて以て
自
(
みづか
)
ら
寧
(
やす
)
みするとき無し。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
「おお神さま」アラスデルは声をひそめて、おどろきの眼のなかに深い
惶
(
おそ
)
れを見せて言った。
漁師
(新字新仮名)
/
フィオナ・マクラウド
(著)
朝家に
酷
(
むご
)
く
祟
(
たゝり
)
をなして天が下をば掻き乱さむ、と御勢ひ凛〻しく
誥
(
つ
)
げたまふにぞ、西行あまりの御あさましさに、滝と流るゝ熱き涙をきつと抑へて、恐る
惶
(
おそ
)
るいさゝか
首
(
かうべ
)
を
擡
(
もた
)
げゝる。
二日物語
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
彼は始めて心安う座を取れば、恐る
惶
(
おそ
)
る狭山は
先
(
ま
)
づその姿を
偸見
(
ぬすみみ
)
て
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
孔寧と儀行父は
惶
(
おそ
)
れ慌てて家にも戻らずに、直ぐに其の足で楚国へ難を避けた。
妖氛録
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
オランはあわれみと
惶
(
おそ
)
れと交った低い優しい声で呼びかけた「師よ、師よ」
魚と蠅の祝日
(新字新仮名)
/
フィオナ・マクラウド
(著)
その声は蜜のように優しかった、そして栄光の深い
惶
(
おそ
)
れに包まれていた。
海豹
(新字新仮名)
/
フィオナ・マクラウド
(著)
「この人たちは誰でしょう」私は
惶
(
おそ
)
れのために震えながら訊いた。
最後の晩餐
(新字新仮名)
/
フィオナ・マクラウド
(著)
オランは
惶
(
おそ
)
れの低い声で言った「おお、神よ」
魚と蠅の祝日
(新字新仮名)
/
フィオナ・マクラウド
(著)
惶
漢検1級
部首:⼼
12画
“惶”を含む語句
愴惶
恐惶
驚惶
匇惶
蒼惶
恐惶謹言
大恐惶
誠惶誠恐
惶々
恐惶頓首
惶急
誠恐誠惶
臣誠惶誠恐死罪死罪
惶畏
惶根尊
惶根
惶懼
惶恐
倉惶
惶也
...