あわた)” の例文
良吉の帰っている間入学試験の準備をおこたっていたので、もはや小説など読耽よみふけってはいられなかった。上京までの日数を数えると心があわただしかった。
入江のほとり (新字新仮名) / 正宗白鳥(著)
廊下にあわただしい人の足音、ガラリと開く襖、そして、ヌッと現われたのは、さい前立去ったばかりの岡田道彦の、不気味にも殺気走った顔であった。
吸血鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)