突堤とってい
炎天の下で青桐の葉が黝んで見えるほど暑気のきびしい或る夏の単調な午後、格子の内と外の板廊下にいる者とが見えないところでこんな話をしている。 「どうしたんだか、まだ写真を送ってよこさないんだがね」 「江の島で撮ったんですか」 「ああ、子供ら五 …