“黝”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
くろ46.3%
くろず29.3%
あおぐろ5.4%
ぐろ5.4%
くす4.1%
ねずみ2.0%
クラ2.0%
あをぐろ1.4%
くら1.4%
うすぐろ0.7%
(他:3)2.0%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“黝”を含む作品のジャンル比率
文学 > 日本文学 > 小説 物語2.7%
文学 > 日本文学 > 詩歌2.1%
文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆0.2%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
その広々とした淵はいつもくろずんだ青い水をたたへて幾何いくばく深いか分からぬやうな面持おももちをして居つた。
念珠集 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
由平は阿芳だけ殺してはすまないと思って、三度海の方へ歩いて往ったが、くろずんだ海の色を見ると急に怖気おじけがついた。
阿芳の怨霊 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
ただ、樹々の繁みを透して、我々の残してきた駆逐艦のくろずんだ姿のみが、ポツンと一隻侘しげに佇んでいるばかりであった。
ウニデス潮流の彼方 (新字新仮名) / 橘外男(著)
その三艘だけが、雲のためにくろずみ始めた海上を、暗紅色の帆、オリーヴ色の帆、濡れた鼠の帆と連なって、進行して行く。
(新字新仮名) / 宮本百合子(著)
私は電気時計のあたりで立ちどまって、列車を眺めた。列車は雨ですっかり濡れて、あおぐろく光っていた。
列車 (新字新仮名) / 太宰治(著)
が、一代の腕は皮膚ひふがカサカサにかわいてあおぐろあかがたまり、悲しいまでに細かった。
競馬 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
眉のあいだがうすぐろかげったようになり、まじろがぬ、刺すような眼ざしの中にも、なにか必死の色がほの見える。
顎十郎捕物帳:09 丹頂の鶴 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
そのときはもう、あたりはとっぷりくらくなって西の地平線の上が古い池の水あかりのように青くひかるきり、そこらの草も青ぐろくかわっていました。
ポラーノの広場 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
暗い襖、すゝびた柱、くすんだ壁、それらの境界もはつきりしない処に、何だかぼんやりした大きな者が、眼を瞑つて待つてゐる。
父の死 (新字旧仮名) / 久米正雄(著)
それと並んで、花や、果物や、切り割った西瓜や、野豚の頭や、倒さに吊りさげた鴨を描いた大きなくすんだ油絵が壁の半ばを占領している。
ねずみの色の毛布けぬのもておほへる如く、物びぬ。
海潮音 (新字旧仮名) / 上田敏(著)
すすけたるねずみてつ桁構けたがまへ
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
岩窟イハムロは、沈々とクラくなつて冷えて行く。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
岩窟イハムロは、沈々とクラくなつて冷えて行く。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
あをぐろくやつれた顔にひげがばうばうと生えてゐたが、しかし眉毛は相変らず薄かつた。
六白金星 (新字旧仮名) / 織田作之助(著)
あをぐろい石に夏の日が照りつけ、
山羊の歌 (新字旧仮名) / 中原中也(著)
岩窟いはむろは、沈々とくらくなつて冷えて行く。した した 水は岩肌を絞つて垂れてゐる。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
岩窟いわむろは、沈々とくらくなって冷えて行く。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
のようにうすぐろ
原爆詩集 (新字新仮名) / 峠三吉(著)
何という変り方! 葉子の記憶にあるかぎりの鎌倉時代の麻川氏は、何処かむしばんだうずくろさはあってもまだまだ秀麗だった麻川氏が、今は額が細長く丸く禿げ上り
鶴は病みき (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
重なり合い折れくちている雑草の上をすんだ空気が、飄々ひょうひょうと流れ、彷徨さまようのを鈍い目で追跡し、ヤッと手を伸ばせば、その朽草くちくさの下の
自殺 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
ねづみの色の毛布けぬのもておほへる如く、物びぬ。
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)