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黝
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くす
ふりがな文庫
“
黝
(
くす
)” の例文
それと並んで、花や、果物や、切り割った西瓜や、野豚の頭や、倒さに吊りさげた鴨を描いた大きな
黝
(
くす
)
んだ油絵が壁の半ばを占領している。
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
作物は何れもひどく威勢を
殺
(
そ
)
がれた。殊にも夥しいのは桑の葉の被害だった。毎朝、
黝
(
くす
)
んだ水の上を、蚕がぎくぎく
蠢
(
うご
)
めきながら流れて行った。
黒い地帯
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
汽車がなつかしい王子あたりの、
煤煙
(
ばいえん
)
に
黝
(
くす
)
んだ夏木立ちの下蔭へ来たころまでも、水の音がまだ耳に着いていたり、山の形が目に消えなかったりした。
爛
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
「うふふん。どうもこの燻製の肉の色がすこし気に入らぬわい。こんなに
黝
(
くす
)
んでいるやつは、肉が硬くていかん。こいつはきっと、煙っぽくて、喰っている間に、
咽喉加答児
(
いんこうカタル
)
を起こすかもしれんぞ」
時限爆弾奇譚:――金博士シリーズ・8――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
母が雨戸を二三枚引いたので、そこには昼乍らうすら寒い
幽暗
(
いうあん
)
があつた。暗い襖、
煤
(
すゝ
)
びた柱、
黝
(
くす
)
んだ壁、それらの境界もはつきりしない処に、何だかぼんやりした大きな者が、眼を瞑つて待つてゐる。
父の死
(新字旧仮名)
/
久米正雄
(著)
▼ もっと見る
ぽしやぽしやしたり
黝
(
くす
)
んだりして
『春と修羅』
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
黝
(
くす
)
んだ木造の料理店は、古風な教会の燭台みたいな恰好に
轆轤挽
(
ろくろびき
)
にした木の柱で支えられた浅い客好きのする庇の下へチチコフを招き入れた。
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
またどういう
理由
(
わけ
)
かしらないが、よくロシアの百姓小屋にしつらえてある、欄干のついた軒下の露台は横へ傾いて、絵にもならないほど
黝
(
くす
)
んでいる。
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
“黝(黟県)”の解説
黟県(い-けん)は中華人民共和国安徽省黄山市に位置する県。
黟県は黄山市で最も小さな県であり、最古の県でもある。古称は黝、広徳国、愬鹵(詳細は後述)。
(出典:Wikipedia)
黝
漢検1級
部首:⿊
17画
“黝”を含む語句
青黝
黝黒
黝朱
蒼黝
薄黝
赤黝
黝々
黝堊
黝黯
黝黒葉
黝赭
黝葉
黝色
黝然
北宮黝
煤黝
幽黝