“薄黝”の読み方と例文
読み方割合
うすぐろ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
肩を張り翼をふくらませたその姿勢に、戦いの意志が単なる形としてだけ残っているようであった。血のかさぶたの下に、瞼は薄黝うすぐろく閉じられていた。
黄色い日日 (新字新仮名) / 梅崎春生(著)
そして、黒住の住む西荻窪の駅に、はき出された時は、もう空のあかね薄黝うすぐろせた頃だった。
蝕眠譜 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
網扉のむこうで薄黝うすぐろく影が動くのが見えたが、すぐ行く、と彼は返事をしたまま再びまぶたをふかぶかと閉じていた。
日の果て (新字新仮名) / 梅崎春生(著)