“汐水”の読み方と例文
読み方割合
しおみず100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「越前へ、この湖を切割すれば、湖水の水はみんな海へ落ちて、その代りに汐水しおみずが湖水へいっぱいになる」
大菩薩峠:38 農奴の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
そうしてたった一つ持っておりました粗末な懐中鏡を帯の間から取り出しまして自分の顔とお別れを致しますと、青々と満ちております汐水しおみずの中に投げ込みました。
押絵の奇蹟 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
廊下の暖簾のれんの間から舞台の方の幕の動くのも見える。樽屋たるやのおばさんの娘をそういう暖簾のかげに見つけるのは丁度汐水しおみずの中に海の魚を置くほど似合わしくもある。
桜の実の熟する時 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)