“五体”のいろいろな読み方と例文
旧字:五體
読み方割合
ごたい71.4%
からだ28.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ある雨の晴れ上った朝、甲板かんぱん士官だったA中尉はSと云う水兵に上陸を許可した。それは彼の小鼠を一匹、——しかも五体ごたいの整った小鼠を一匹とったためだった。
三つの窓 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
こは不思議ふしぎおどろきおそるるを見て、武士しか/″\の事ありしが五体ごたいすくみてうごく事ならずといふ。
五体からだのんびりして、始めてアヽ世界は広いものだと、心の底から思ひましたの、——私、老女さん、二十年前に別れた母が未だながらへて居て
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
しぼんだ朝顔を逆さに懸けたような形の紙帳の、そのがくにあたる辺を睨み、依然として刀を構えていたが、次第に神気こころが衰え、刀持つ手にしこりが来、全身に汗が流れ、五体からだに顫えが起こり
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)