“形体”のいろいろな読み方と例文
旧字:形體
読み方割合
かたち31.3%
えたい18.8%
ぎょうたい18.8%
フォーム12.5%
ぎょうてい6.3%
からだ6.3%
なり6.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それは、色のない透明すきとおったものが光っているようでいて、そのくせどうも形体かたち明瞭はっきりとしていない、まるで気体のようなものでした。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
彼は何だか形体えたいの知れない壁にぶつかったようで、息苦しさまで覚えた。「つきぬけなければならない、つきぬけることが必要だ、」
野ざらし (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
こりゃ現に、手前、軒下へ出て見ましたが、降ったか、いたか、流れて来たか、何のことはござりません、みんな翼が生えて飛んで来て、空からがんが下りたと申す形体ぎょうたい
わか紫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その実体サブスタンスには、もとより、終始もなく、生滅もないはずである。されど、実体の両面たる物質と勢力とが構成し、仮現する千差万別・無量無限の形体フォームにいたっては、常住なものはけっしてない。
死刑の前 (新字新仮名) / 幸徳秋水(著)
絶えずはたはたと鳴らす団扇うちわづかい、ぐいと、抱えて抜かないばかり、柱に、えいとこさで凭懸よりかかる、と畳半畳だぶだぶと腰の周囲まわりに隠れる形体ぎょうてい。けれども有名な琴の師匠で、芸は嬉しい。
吉原新話 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ゆめゆめあるまじき事にして、徹頭徹尾、じょの一義を忘れず、形体からだこそ二個ふたりに分かれたれども、その実は一身同体と心得て、始めて夫婦の人倫を全うするを得べし。
日本男子論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
形体なりは私が寝ていて想像したよりも大きかったが、果して全身雨に濡れしょぼたれて、泥だらけになり、だらりと垂れた割合に大きい耳からしずくたら
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)