形体ぎょうたい)” の例文
旧字:形體
こりゃ現に、手前、軒下へ出て見ましたが、降ったか、いたか、流れて来たか、何のことはござりません、みんな翼が生えて飛んで来て、空からがんが下りたと申す形体ぎょうたい
わか紫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
心の形体ぎょうたいはどうにでも取れる。法令をくはやすいが、法令に心服させるのは難しい。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
大魔の形体ぎょうたい、片隅の暗がりへ吸込すいこまれたようにすッと退いた、がはるかに小さく、およそ蛍の火ばかりになって、しかもそのきぬの色も、はかまの色も、顔の色も、かしらの毛の総髪そうがみも、鮮麗あざやかになお目に映る。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)