“ちすじ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
血統56.7%
千筋15.0%
千条11.7%
血筋8.3%
千行1.7%
1.7%
血属1.7%
血縁1.7%
骨肉1.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いわゆる御落胤ごらくいんとでもいったようなものなんですかな。ほれほれ御覧なさい。血統ちすじは争われないもので、三白眼でこっちを睨んでいます
顎十郎捕物帳:10 野伏大名 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
夫人はハッと顔を上げて、手をつきざまに右視左瞻とみこうみつつ、せなに乱れた千筋ちすじの黒髪、解くべきすべもないのであった。
悪獣篇 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ただその心臓は音するばかり、波立つごとく顫動せんどうせるに、溢敷こぼれしきたる黒髪ゆらぎて、千条ちすじくちなわうごめきぬ。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ただ人並ひとなみみすぐれて情義深なさけふかいことは、お両方ふたかた共通きょうつう美点みてんで、矢張やは御姉妹ごきょうだい血筋ちすじあらそわれないように見受みうけられます……。
余が病は全くえぬ。エリスが生けるかばねを抱きて千行ちすじの涙をそそぎしは幾度いくたびぞ。
舞姫 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
そうだとすれば、由緒正しい高貴の人のちすじも残っていないというはずはありますまい。それだのに、ナゼ人が畜生谷なんて、いやな名をつけるのでしょう……
大菩薩峠:29 年魚市の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
忘れても世の中に、血属ちすじは一人の父にさへ、離れたる身の、宿業を謹みて、春衛殿に、愛想かさるるな。我をいづこと、求めむ心の出でなむには、それだけ多くを、良人に尽くせ。
移民学園 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
仏教は一切衆生を兄弟として認めておりますが、特別に血縁ちすじに依る兄弟というものを認めません。
仏教人生読本 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
またはてんでんの小児こどもの噂などで、さのみ面白い話でもないが、しかしその中には肉身しんみの情と骨肉ちすじの愛とが現われていて、歎息たんそくすることもあれば
初恋 (新字新仮名) / 矢崎嵯峨の舎(著)