“せんこう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
閃光41.7%
線香7.1%
鮮紅6.3%
繊巧5.5%
先考4.7%
穿孔3.9%
銓衡3.9%
潜行3.1%
遷幸3.1%
潜幸2.4%
(他:23)18.3%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一瞬の閃光せんこうで激変する人間、宇宙の深底に潜む不可知なもの……僕に迫って来るものははてしなく巨大なもののようだった。
鎮魂歌 (新字新仮名) / 原民喜(著)
たちまち、動揺どよめく人波の点々が、倒れ、跳ね、おどり、渦巻くそれらの頭上で無数の白い閃光せんこうが明滅した。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
忠義ちゅうぎいぬのおはかだといって、みんながおまいりをして、はなやお線香せんこうげました。
忠義な犬 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
多くの若い者を使っていた農家では、線香せんこう一本のたつあいだなどという、おかしいほどみじかい時間の昼寝ひるねをさえ規則にしていた。
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
男は萌黄もえぎのソフトをかぶり、女は褪紅の外套を着け、その後より鮮紅せんこうの帽かむりし二人の男女の小児爽やかに走りゆく。
春の暗示 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
いま、この教会きょうかいからもらったクレオンは、品質ひんしつ上等じょうとうとみえて、あかいろはまったく鮮紅せんこうだったし
天女とお化け (新字新仮名) / 小川未明(著)
もっと堅い感じのものが多いのですが、それが錦絵になりますと、とても暢び暢びとした、繊巧せんこうなものになっております。
蘆と水楊みずやなぎの多い綾瀬あやせあたりの風景をよろこぶ自分に対して更に新しく繊巧せんこうなる芸術的感受性を洗練せしめた。
夏の町 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
しん深くこの恩義に感じてや、先考せんこう館舎をてられし後は、一際ひときわまごころ籠めてわが家のために立ちはたらきぬ。
礫川徜徉記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
金剛寺坂の中腹には夜ごとわが先考せんこうの肩みに来りし久斎きゅうさいとよぶ按摩あんま住みたり。
礫川徜徉記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
もし手術の結果、子宮底に穿孔せんこうができるようになって腹膜炎を起こしたら、命の助かるべき見込みはないのだ。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
位置矯正の場合などに施術者しじゅつしゃの不注意から子宮底に穿孔せんこうを生じた時などには
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
後任市長が無いというので、方々ほうぼうの人格者や名望家なぞに市会の銓衡せんこう委員が押しかけてまわったが、みんなていよく断られた。
止むを得ず、他の論文の銓衡せんこうを全部、翌日に廻わして、ラムプをけて議論を続行しました結果、やっと午後九時に到って一同が完全に沈黙させられてしまいました。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
海づたいに、潜行せんこうしていた前田方の先鋒せんぽうは、いつも中軍の馬じるしよりも、はるか先へ先へと、進んでいた。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
中入なかいりとは、敵地ふかく潜行せんこうして、敵国の腹中ふくちゅうから敵をやぶる戦術語である。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
日西天ニ没スとあるは、みかど隠岐島おきのしまへ御遷幸せんこうましまされた、この一事を指しておられるのであろう。
赤坂城の謀略 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
たった今、柳斎の右馬介から、自分だけは、遷幸せんこうの途中にあたる中国路方面のけわしい情勢を聞きえている。
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
やはり河内から大和へ潜幸せんこうされていたものらしい。しかし、この方面は、相当、往来が多く、また追捕ついぶの兵も、第一に手を廻したはずのところである。
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ただし、このさい直接、奈良の東南院へ潜幸せんこうされたとなす説と、一夜は唐招提寺とうしょうだいじ入御にゅうぎょして、奈良の動静をたしかめたうえ行かれたという二説がある。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
されど数年間文学専攷せんこうの結果は、余の愚鈍をして半歩一歩の進歩を為さしめたりと信ず。
人々に答ふ (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
朝鮮の歴史にも興味を持っていましたが、早くから江戸時代の文化史を専攷せんこうにして、『紅葉山文庫もみじやまぶんこ御書物奉行ごしょもつぶぎょう』の著書があります。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
むねみぎにつけられた、燦然さんぜんとしてかがや戦傷徽章せんしょうきしょうは、その戦功せんこう名誉めいよをあらわすものであると同時どうじ
村へ帰った傷兵 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「村重様の戦功せんこうと、ご出世をそねんで、明智日向守様が、ひそかに信長公へざんしたのがもとだとか。いや、毛利家の方から手を廻して、非常な恩賞を約して誘いこんだものとか」
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
右は沈の木の箱に浅香せんこう下机したづくえ、帛紗は青地の高麗錦こうらいにしき、机のあしの組みひもの飾りがはなやかであった。
源氏物語:17 絵合 (新字新仮名) / 紫式部(著)
浅香せんこうの木の折敷おしき二つに菓子と杯を載せて御簾みすから出された。
源氏物語:46 竹河 (新字新仮名) / 紫式部(著)
墓にまいる人にしきみ綫香せんこうを売り、また足を休めさせて茶をも飲ませる家で、三十ばかりの怜悧かしこそうなおかみさんがいた。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
そこへ勝四郎は出向いて来て、勝三郎の木位もくいを拝し、綫香せんこう手向たむけた。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
「冠省、先般ヨリ申請中ノ願書、詮衡せんこうノ結果、今回、谷口マン儀、煙草女工資格者ト決定セルニ付、採用ノ旨、通告ス」
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
事件落着後清廷が目覚めて改革を行わんとするや、川島は粛親王府に厚聘されて警務学堂を創設し、毎期四百名の学生を養うて清国警察を補充し、ただに学堂教務をぶるのみならず学堂出身者の任命の詮衡せんこう及び進退黜陟ちゅっちょく等総てを委任するという重い権限で監督に任じた。
二葉亭四迷の一生 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
果然は一名また仙猴せんこう、その鼻孔天に向う、雨ふる時は長い尾で鼻孔をふさぐ、群行するに、老者は前に、少者わかものは後にす。
一策が成功すると、驪姫の悪は勇気づいて、また一つの悪策をたくらみました。先后せんこうの祭のときです。驪姫はそっと供え物に、毒を秘めておいて、後、申生にいうには母上のお供え物を、そのまま厨房ちゅうぼうにさげてはもったいない。父君におすすめなさいと。申生は驪姫にいわるるまま父の献公へそれをすすめた。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
然れども思え、いたずらに哭してどうして、墓前の花にそそぎ尽したる我が千行せんこうなんだ、果して慈父が泉下の心にかなうべきか、いわゆる「父の菩提ぼだい」をとむらい得べきか。
父の墓 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「呂布の大勇にはこの近国で誰あって当る者はありません。それに近頃彼の側には例の陳宮が付き従っているし、その下には文遠ぶんえん宣高せんこう郝萌かくほうなどとよぶ猛将が手下に加わっておるそうです。よくよくお心をつけて向わぬと、意外にほぞを噛むやも知れませんぞ——」
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ために、孔明は一騎も損じることなくこれほどの大兵の総引揚げを悠々なしとげたが、後、川口せんこうの旅人が、魏へ来て洩らした噂から、かまどの数に孔明の智略があったこともやがて司馬懿しばいの聞くところとなった。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その日、立花先生は、新しい体操の実演と打合会のために海岸通りの扇港せんこうビルの講堂で午前中を過した。
少年探偵長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
そして冬撰鉱せんこうへ来ていたこの村のむすめのおみちと出来てからとうとうその一本調子ちょうしで親たちを納得なっとくさせておみちをもらってしまった。
十六日 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
〔註〕以下掲ぐる所は、江戸獄中より同志への書簡、及びその絶筆たる『留魂録』なり。如何に彼が死に処して、その平生へいぜい潜光せんこうを発揮したるかを見よ。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
斉彬の、遺しておいたこうした形が、だんだん荒れて行くと共に、軽輩の力は、ますます内部で潜興せんこうしてきた。
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
船は見えたら、急いで潜航せんこうするのだ。
恐竜艇の冒険 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「客ニ洞簫とうしようヲ吹ク者アリ、歌ニヨツテこれヲ和ス、其ノ声、嗚々然おおぜんトシテ、うらムガ如ク、慕フガ如ク、泣クガ如ク、訴フルガ如シ、余音よいん嫋々じようじようトシテ、絶エザルコトいとノ如シ、幽壑ゆうがく潜蛟せんこうヲ舞ハシ、孤舟こしゆう嫠婦りふヲ泣カシム……」
大菩薩峠:27 鈴慕の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
釧路丸では、ガラガラと轆轤かぐらさん銛綱せんこうられて、仔鯨がポッカリ水の上へ浮上った。
動かぬ鯨群 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
夜に入っては、幕将すべてを集めて、彼のために餞行せんこうえんを盛んにした。餞行の宴——つまり送別会である。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)