“先考”の読み方と例文
読み方割合
せんこう100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
予の生れし頃(明治十二年なり)先考せんこうは十畳の居間に椅子いす卓子テーブルゑ、冬はストオブに石炭をきてをられたり。
洋服論 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
それだけは手放さなかった先考せんこうの華族大礼服を着こみ、掛けるものがないのでお飯櫃はちに腰をかけ、「一ノ谷」の義経のようになってしゃちこばっていると、そのころ
予言 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
さいわいに母五百は明治十七年までながらえていて、保さんは二十八歳でうしなったのだから、二十六年の久しい間、慈母の口から先考せんこう平生へいぜいを聞くことを得たのである。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)