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線香
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せんこう
ふりがな文庫
“
線香
(
せんこう
)” の例文
鐘供養
(
かねくよう
)
というのは、どんなことをするのかと
思
(
おも
)
っていたら、ごんごろ
鐘
(
がね
)
の
前
(
まえ
)
に
線香
(
せんこう
)
を
立
(
た
)
てて
庵主
(
あんじゅ
)
さんがお
経
(
きょう
)
をあげることであった。
ごんごろ鐘
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
多くの若い者を使っていた農家では、
線香
(
せんこう
)
一本のたつあいだなどという、おかしいほどみじかい時間の
昼寝
(
ひるね
)
をさえ規則にしていた。
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
線香
(
せんこう
)
の
烟
(
けむり
)
のような雲が、
透
(
す
)
き
徹
(
とお
)
る底の上を静かに
伸
(
の
)
して行ったと思ったら、いつしか底の
奥
(
おく
)
に流れ込んで、うすくもやを
掛
(
か
)
けたようになった。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
よせばいいのに、ソロリ、ソロリと四ツン
這
(
ば
)
いにはいだして、つぎの
部屋
(
へや
)
の向こうがわの、
線香
(
せんこう
)
のようにスーと明かりの立っているところを目あてに
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「お
父
(
とう
)
さんは、このさかずきがお
好
(
す
)
きで、
毎晩
(
まいばん
)
このさかずきでお
酒
(
さけ
)
をめしあがられたのだ。」と、
彼女
(
かのじょ
)
は、いいながら、
線香
(
せんこう
)
を
立
(
た
)
てて、かねをたたきました。
さかずきの輪廻
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
▼ もっと見る
わたしは——まだ子供だったわたしはやはりこう云う日の暮に
線香
(
せんこう
)
花火に火をつけていた。それは勿論東京ではない。わたしの父母の住んでいた
田舎
(
いなか
)
の家の
縁先
(
えんさき
)
だった。
夢
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
夕方、
静
(
しずか
)
になった墓地に往って見る。
沈丁花
(
ちんちょうげ
)
、
赤椿
(
あかつばき
)
の枝が
墓前
(
ぼぜん
)
の
竹筒
(
たけつつ
)
や土に
插
(
さ
)
してある。
線香
(
せんこう
)
の
烟
(
けむり
)
が
徐
(
しず
)
かに
颺
(
あが
)
って居る。不図見ると、地蔵様の
一人
(
ひとり
)
が
紅木綿
(
べにもめん
)
の着物を
被
(
き
)
て居られる。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
唯
(
と
)
見
(
み
)
れば池のふちなる
濡
(
ぬ
)
れ土を、五六寸離れて立つ霧の中に、
唱名
(
しょうみょう
)
の声、
鈴
(
りん
)
の音、深川木場のお柳が姉の
門
(
かど
)
に
紛
(
まぎ
)
れはない。
然
(
しか
)
も
面
(
おもて
)
を打つ
一脈
(
いちみゃく
)
の
線香
(
せんこう
)
の
香
(
におい
)
に、学士はハッと我に返った。
木精(三尺角拾遺)
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
忠義
(
ちゅうぎ
)
な
犬
(
いぬ
)
のお
墓
(
はか
)
だといって、みんながおまいりをして、
花
(
はな
)
やお
線香
(
せんこう
)
を
上
(
あ
)
げました。
忠義な犬
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
“線香”の意味
《名詞》
線香(せんこう)
香料の粉を糊料で線の様に細長く固めたもの。
「蚊取り線香」の略。
「線香代」の略。
(出典:Wiktionary)
“線香”の解説
線香(せんこう) は、好まれる香りを出す材料を細かくして練り合わせ細い棒状や渦巻き状に成型して乾燥させた香(こう)である。直接火をつけ燻蒸と呼ばれる燃焼方法で芳香のある煙を出す。
(出典:Wikipedia)
線
常用漢字
小2
部首:⽷
15画
香
常用漢字
小4
部首:⾹
9画
“線香”で始まる語句
線香立
線香花火
線香煙花