“颺”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あが70.0%
30.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
山にも、川にも、電車にも、林の中の路にも、白く湯気のあがつてゐる町にも、何等の記憶を呼び起すことが出来なかつたのである。
父親 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
わたしの家でも床几を持ち出した。その時には、赤坂の方面に黒い煙がむくむくとうずまきあがっていた。三番町の方角にも煙がみえた。
火に追われて (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
惜しい夜もけた。手をきよめに出て見ると、樺の焚火たきびさがって、ほの白いけむりげ、真黒な立木たちきの上には霜夜の星爛々らんらんと光って居る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
秋らしい光線が、枝葉のややえかかった銀杏いちょうの街路樹のうえに降りそそぎ、円タクのげて行く軽いほこりも目につくほどだった。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)